飛行機に乗って荷物が無くなったときの補償は?

飛行機での旅行には様々な問題が起こることが考えられます。手荷物の紛失や延着といったことから、大きいものになると飛行機事故による怪我や死亡といったことまでです。

飛行機は国と国の間も行き来するものですから、そのような問題が起きた時に責任の所在や損害賠償についての国際的な基準というものがないと、いざというときに困ることになります。

そのために定められたのが「国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約」です。最初の条約は1929年にポーランドのワルシャワで署名されたために通称ワルソー(ワルシャワ)条約と呼ばれます。

ワルソー条約はその後1955年に時代の変化に合わせてオランダのハーグで改正条約が署名され、1963年に改正ワルソー条約として発効、日本は1967年に批准しました。その後さらに改正されたモントリオール条約が2003年に発効しました。

さて、この条約では上記のように事故などが起きた時の責任原則や保障額などが定められていますが、改正ワルソー条約がモントリオール条約に改正されるときに変わったのは主にそれぞれの保障額です。

まず改正ワルソー条約では延着を含む手荷物の保障額は、預け入れで日本円にしておよそ2,800円、機内持ち込み手荷物でおよそ5万5千円までが限度額だったものが、モントリオール条約では限度額がおよそ16万円まで引き上げられました。

また、旅客死亡時の補償の限度額が改正ワルソー条約では約280万円だったものが、モントリオール条約では無制限となりました。

この条約の適用範囲の条件は、出発地と到着地が締約国であること。適用範囲にはいくつかのパターンが考えられますので、日本を基準にいくつかのパターンを示します。

・日本と目的地の往復(目的地は締約国であるか否かは問わず)=適用
・日本出発で目的地が締約国ではない片道=非適用
・締約国ではない国から日本への片道=非適用

のようになります。つまり、例えば締約国ではない旅先で荷物が紛失しても、日本からの往復チケットがあれば補償されます。

気をつけなければならないのは、現在モントリオール条約を批准している国としていない国があるということです。モントリオール条約を批准しておらず、ワルソー条約を批准している国への旅行で上記のような非適用のパターンで問題が起きた場合は、ワルソー条約の方の補償額が適用されます。

モントリオール条約を批准している国は95カ国あるので全ては挙げませんが、主な国と地域を挙げると

日本、EC加盟全28国、アメリカ、中国、オーストラリア、韓国、インド、ブラジル、スイス、カナダ、香港など。

一方、モントリオール条約を批准せず、ワルソー条約のままなのは

インドネシア、台湾、ベトナム、タイ

などの国々です。

日本人に人気の東南アジアの国々でモントリオール条約をまだ批准していない国は多いようです。

普通に旅行に行くという場合は往復チケットを買うと思うので問題ありませんが、長期滞在などでとりあえず片道だけで現地に向かい、帰るときにあらためて現地で日本までのチケットを買うつもりの場合は注意が必要です。

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