飛行機の機体を膨らましている装置がある!?

個人差はありますが、高度1万メートルでは1~2分で、1万5000メートルでは15秒前後で、人間は空気密度が小さいために酸素欠乏症になり意識を失ってしまいます。人間が酸素吸入の必要がなく意識がしっかりしていられるのは、高度2400メートルの気圧とされています。

ジャンボ機が2400メートルを超える高度を飛ぶ場合、エンジン内でつくられる高温の空気を機内に送りこみます。(この空気をブリードエアと呼びます)。ただ、そのままであれば機体が風船のように膨らむので、胴体の後部にあるバルブから空気を吐き出し、機内の空気量を調節しています。

これで機内の空気は4分~7分ほどで入れ換わると同時に、機内の気圧が高度2400メートル相当にコントロールされています。ところが、離陸する前の機内の気圧が地表と同じとすると、高度2400メートルを超えてエンジンから空気が機内に送られ気圧が高度2400メートル相当になる間に、1平方メートルあたり6トン以上の力で機体が膨らまされることになります。そして着陸すると、その力は「ゼロ」に。

フライトのたびに6トン以上の力を受けたり「ぜロ」になったりを繰り返すうちに、機体はしだいに劣化して「金属疲労」を起こします。こうして機体の外板が壊れて事故になった例は、かつては少なくありませんでした。

そこで、送りこむ空気の機体に与える圧力を高度2400メートルの気圧に相当する6.3トン/平方メートルを最大と定め、この繰り返しを12万回くらい続けても「金属疲労」を起こさないように、外板の素材と機体の構造を強化した設計にジャンボの設計が改められました。

最近のジャンボ機の場合、ひとつの部材が金属疲労で壊れても機体全体に大きな影響がなく安全に航行できる「フェイルセーフ設計」や、あらかじめ金属疲労の起こしやすさを計算して疲労が起こる前に検査して補強する「損傷許容設計」でつくられています。

昔なら、「1回のフライトで何年機体の寿命が縮むのか」と心配しながらパイロットは、機体に負担をかけないフライトを心がけたものですが、最近のジャンボは12万回くらいフライトしても金属疲労が生じないため、1回のフライトで縮む寿命は12万分の1以下。ほとんど気にしなくてもいいようになっています。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る