旅客機のエンジンを始動するには

旅客機の後方には排気ガスのような煙を出している穴があります。

「APU(オグジュアリー・パワー・ユニット)」と呼ばれる補助動力装置の排気口で、いわば小型のジェットエンジンです。自動車のエンジンは電気で作動させますが、旅客機の大型エンジンは、空気駆動のスターターで始動します。

ジェットエンジンは電源では始動しないので、電源で動くAPUの手を借りて、主翼のジェットエンジンが動きだす形になるのです。

それに、旅客機はエンジンが停止していると機内への電力供給ができず電気の必要なさまざまのことができません。

APUは駐機中の旅客機に、電源を供給しています。油圧ポンプを駆動させ、機内で水を使用できるようにしたり。キャビンの照明やエアコンを機能させるための電力も供給します。

出発の数時間前、コクピットクルーはAPUの電源を入れます。

ジェットエンジンを始動する時には、APUで圧縮空気を作るのです。

その圧縮空気の力で「ニューマチック・スターター」と呼ばれる小さな歯車を回転させ、その回転をつないで、ジェットエンジンの回転に伝えていきます。

そうして機内を温めながら、機体や計器類のチェックを進めて、乗客の皆さんを迎える準備をするわけです。

乗客の搭乗が終わり、機体がトーイングカーに押されてスポットを離れ始めたら、エンジンを始動させます。APUからの高圧空気がエンジンのスターターに流れて、巨大なエンジンがゆっくり、力強く回転を始めます。メインエンジンが一定の回転数まで上ったところで、機長は燃料コントロールスイッチを「RUN」の側に。

エンジンが始動した機体は、ランプエリアの端まで来て停止。地上の航空整備士からの要請で、機長はパーキングブレーキをオンに。トーイングカーは役割を終え、機体から離れていきます。

整備士が電話コードのジャックを機体から取り外し、「オール・ディスコネクト」、つまり全ての取り外しの終了を伝えてきたら、タキシングの準備が完了です。

副操縦士が空港ランプにタキシング許可を要求して、その許可が下りたところで機長がパーキングブレーキを解除。自動車のアクセルペダルに相当するスラストレバーを前方に押し出します。

これでいよいよ出発です。

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