虫歯がある人は飛行機のパイロットにはなれない!?

「虫歯がある人はパイロットになれない」という話があります。

しかしこれは嘘。

パイロットになるためには「航空身体検査」を受けて、その条件に適合する必要があるということが航空法で定められています。その身体基準の中に、

口腔及び歯牙に航空業務に支障を来すおそれのある疾患又は機能障害がないこと。

というものがあります。

しかし、同時に

未治療のう歯(虫歯)、歯根のう胞、根尖膿瘍及び歯髄炎等は航空業務(気圧の変化)により新たな歯痛を発生させることがあるため、すみやかに治療を受けさせること。

ともあります。

つまり、虫歯などの問題があっても、きちんと治療を受けていれば問題がないのです。

ところで上記の基準に「航空業務(気圧の変化)により新たな歯痛を発生させることがあるため」とありますが、飛行機に乗った時に虫歯などが痛みを生じるのを「航空性歯痛」と呼びます。

飛行機の中は常に0.8気圧程度に保たれているのですが、これは標高1500mの山に登ったのと同じぐらいの気圧であり、地上の気圧と比べると20%ほど低い状態。

気圧が低くなるとどうなるか?飛行機に乗った時にお菓子なんかの袋がパンパンに膨らんでいるのを見たことはありませんか?そう、空気が膨張するんですね。

人間の体の中にもいろんな空洞があって、気圧が低くなるとそこの空気が膨張します。「航空性歯痛」の場合は、鼻の両脇にある「上顎洞」という空洞の中の空気が膨張し、圧力が増すことで、上顎洞のすぐ下を通っている歯の神経を圧迫することで発生する痛みであると考えられています。

というわけで、パイロットになるつもりがなくても飛行機で旅行するというときは、虫歯の治療はしっかりしておきましょうね。

関連記事

ページ上部へ戻る