フライトプランが完成、パイロットが旅客機に乗り込んでから行う仕事

今日のフライトは、成田空港を出発してロサンゼルス空港に向かうもの。

担当するパイロット2名が、それぞれショー・アップしてきました。ディスパッチルームで顔合わせをして、これから飛行するルートについて、打ち合わせをします。

この頃にはプロッティング・チャートが届いています。ディスパッチャーが、複数あるルートの中から『今日のフライトにあたって、もっとも合理的』と判断したルートを提案し、書き込んでくれた図面です。

日本とアメリカを結ぶ複数の航空路を参考に作成されたもので、もちろん上層風の分布図や、悪天予想図など、さまざまな要素をすべて考慮してくれています。

ルートの近くに時速約100kmのジェット・ストリームがありますが、フライトには支障ないとのこと。運輸省航空局(Notam)から、「ロサンゼルス空港の滑走路や誘導路の一部が工事中」と伝えてきていますが、着陸には問題ないようです。

ロサンゼルス空港の天候は、現在弱い雨。次第にやんで晴天となる模様。飛行時間は9時間40分と計算されていますから、到着するころには雨がやんで晴れているはず。

機長は、今まで自分がそれぞれのルートをフライトしたときどうだったか、その経験も考え合わせても、今回はディスパッチャーの提案したルートで良いと考えました。機長がフライトプランにサインしたら、「このプランに合意します」という意味。航空法にのっとったフライトプランの出来上がりですから、これでジャンボ機が飛び立つことができます。

ディスパッチルームを出て、保安検査を受け、旅客機に乗り込みます。航空整備士と、客室乗務員とも打ち合わせをし、コックピットに入ります。

入室したら、機長と副操縦士で手分けして、一人は機体の外部点検、もう一人は機器類のセットアップです。FMSにその日のフライトプランを入力します。

飛行機の頭脳であるコンピューターに今回のフライトの最初から最後まで、ルートや行動など、すべて記憶してもらいます。フライト中の大半はオートパイロットにやってもらうので、そのためのデータをすべて憶えてもらわなければならないのです。

FMSは飛行管理用のコンピューターで、オートパイロット、各種航法機器などが一体化しています。人間のパイロットに代わって操縦してくれるのですから、3人目のパイロットと言ってもいいような存在。

コックピットが出発の準備を進めている頃、ボーディングが始まります。ボーディングとは乗客が機内に搭乗すること。

ボーディングの間に「テイクオフ・ブリーフィング」を行います。旅客機の離陸は、機長と副操縦士の二人で手分けして行う仕事なので、離陸の手順や、離陸途中にトラブルが起きたときの対応を改めて確認し、話し合っておくのです。

出発5分前くらいになったら、管制塔と連絡し、管制承認を受けます。

このころ地上の航空整備士から、「プッシュバック」の準備完了の連絡が来ます。プッシュバックは、牽引車に押された旅客機がスポットから動き出すこと。

管制にプッシュバックをリクエストして承認されてから、航空整備士にそれを連絡します。

飛行機を牽引するには、2つの方法があります。

一つは牽引車(トーイング・カー)と飛行機の前輪に牽引棒(ドーバー)を連結させて飛行機を牽引する方法。

もう一つは、ドーバーがなくても旅客機を牽引できるトーバーレス・カーを使う方法。牽引車に飛行機の前輪を乗せて牽引することができます。このトーバーレス・カーの登場によって牽引速度は時速30km、従来の3倍近くになりました。

ちなみに、飛行機がプッシュバックで動き出す時間が旅客機の「出発時間」となります。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る