航空保安大学校とはどのような学校?

航空機は高速で三次元を飛行するため、パイロットの目だけではどうしても限界があり、しかも空中で停止できないこと、気象のあらゆる現象の影響を受けやすいことなどの特徴があります。

そのため、航空機が安全かつ効率的に運航できるようにするには、パイロットにだけ頼るのは限界があり、何らかのサポートが必要となります。そのための業務が航空保安業務であり、国土交通省の航空保安職員が担っています。

世界の航空業界は、経済状況によって低迷傾向にありますが、LCCという格安航空会社の就航・普及などにより、今後、航空需要が伸びていくと考えられています。

長期的には増大が見込まれている航空交通の需要や、多様化しているニーズに応えるため、世界的にも先端の航空交通管理システムの導入が進められており、航空保安業務は、最先端の科学技術を使った様々な電子機器を使って実施されています。

しかし、これらのシステムを運用するのは人間です。人工衛星やデータ通信を利用した航空保安システムの運用など、航空保安職員には一層の高い能力と、そして変化に対応する柔軟な姿勢が求められています。そのため、航空保安に携わる人たちの訓練や研修はとても重要となります。

このような航空保安業務のうち、航空保安大学校の卒業生が従事することとなるのは、航空管制官、航空管制運航情報官、そして航空管制技術官といった業務です。

このような、空の交通の安全を支えるスペシャリストである航空管制官や航空管制運航情報官、そして航空管制技術官等を専門的に養成・訓練しているところが航空保安大学校です。この航空保安大学校は、航空管制官などの専門家を育てるための国内で唯一の研修機関で、基礎的な知識と技術を身につけるための基礎研修、そして専門的な知識と技術を身につけるための専門研修が行われています。

もともと、1959年に、主に航空管制官の研修を目的として東京国際空港に研修室が開設され、航空職員訓練所が設置されました。その後、1969年に航空管制科2年制、航空通信科1年制、航空電子科1年制の研修が始まり、1971年に、航空保安大学校と改められました。

そして最近では、2008年に校舎と学生寮が関西国際空港対岸のりんくうタウンに新築・移転され、大規模空港と一体した研修や実習が可能となりました。

航空保安大学校は関西国際空港にある本校と、仙台空港にある岩沼研修センターがあり、本校においては高卒者を対象とした、現場において基本的な業務が遂行できるレベルとなるまでの「基礎的研修」を行うコース(本科2年間)と、大卒者を対象とした航空管制官を養成するための6ヶ月のコース(専修科)が設けられています。

航空保安大学校に入校すると、将来、航空保安職員にとって不可欠なチームワークを養う場所として、原則、全員が学生寮に入寮します。

航空管制官基礎研修では、5つの管制業務実習を行っています。

例えば第2飛行場管制実習室では、空港の管制塔での業務を実習し、360度スクリーンの管制塔からの視界をバーチャル映像で映し出し、臨場感あふれた実習が行われています。

また、ターミナルレーダー管制実習室では、空港周辺のレーダー管制業務を実習し、空港で使用している物とほぼ同じレーダー画面が使用されています。

他にも進入管制実習室や航空路管制管制実習室ではレーダーを使わずに空港周辺の航空機をコントロールする実習したり、高い高度を飛行する航空機を、レーダーを使わずに、あるいはレーダーを使用してコントロールします。

そして航空情報科実習室では、空港に離着陸する航空機に対し、使用する滑走路、空港の状態や気象状況、空港周辺の航空機の動向、航空機が安全に運航できるようサポートするためのあらゆる情報を、無線を使用して提供する訓練や、国内はもちろん、世界中の空港とつながっているコンピューターシステムを模擬した装置での訓練、交信の訓練などが行われます。

この他にも様々な訓練が行われていますが、航空保安大学校では国際協力機構(JICA)による国際協力事業として、外国の航空保安職員を対象としたセミナーも開催されています。

また、岩沼研修センターでは、既に現場で業務を行っている職員の技術・技能向上のための専門的な研修を行っています。

入校すると1年或いは2年間の研修を経て、配属されることになります。名称にある「大学」から一般の大学のように考えてしまいがちですが、この「入校」というのは、一般企業でいう「就職」であるため、授業料が無料でしかも給与も支払われます。

また、一般の大学のように7月および空の日がある11月にはオープンキャンパスが開催されています。オープンキャンパスでは各種の訓練施設の見学や、管制シミュレーターを体験できたり、各科の科長による特別講義や受験相談コーナーなども開設されます。

航空保安業務に関心のある方、これらの業務に就きたいと考えている方、また、航空保安大学校のことをもっと知りたい方など少しでも興味がある人は、このオープンキャンパスに参加してみてはいかがでしょうか。

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