コンコルドの新型を見かけない理由とは?

コンコルドの最後の営業飛行は、2003年10月24日。

引退してからずいぶん経つのですから、コンコルドの改良型が開発されてもよさそうなものですが、それ以降の旅客機は、すべて音速以下で、せいぜいマッハ0.85以下で飛ぶように設計されています。

新しい超音速SST(Supersonic Transport)が開発されない理由の一つは、燃料効率の悪さ、つまりは経済性の問題が挙げられます。

旅客機が速い速度で飛行すると、前に進む機体に押された空気の密度が増し、さらに音速に近づくと、その密度の高い空気が、機体前方に壁のように立ちふさがり、空気抵抗が急激に増大するのです。

その抵抗に打ち勝つためには、パワーあるのみ。

それも相当に大きなパワーが必要で、音速付近から音速を超えた速度になると、極端に燃料を消費してしまいます。

機体の形状を工夫し、強力なエンジンを装備することで、そうした空気抵抗を打ち破ることが出来る。コンコルドはそれを実証しましたが、それだけでは、旅客機として成功できませんでした。

超音速で飛び続ける強力なパワーをエンジンに持たせたために、騒音が深刻になりました。コンコルドのフライトを目の当たりにした人は、誰もがその爆音のすさまじさに驚いたといいます。

騒音だけでなく、ソニックブーム(衝撃波)も社会問題になりました。飛行機が音速を超えると、ソニックブームと呼ばれる圧力の壁のようなものが生じ、地上にも届くのです。

ソニックブームの衝撃は、住宅の窓のサッシが割れてしまうほど威力があります。自国領空での超音速飛行を禁止した国も出てきました。

また、コンコルドの航続距離は大西洋を横断するのがやっと、どこか途中で給油する場所を作らないと、太平洋を渡れません。

さらに、コンコルドは整備費や機体の維持費が高く、他の機種の5倍近くかかる上、その高コストで、一度のフライトで運べる乗客数が最大で100名。これでは商売になりません。エールフランスもBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)も、赤字覚悟の運航だったそうです。

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