いよいよ航空機のメイン・エンジンのスタート

ジャンボ機を離陸させるためには、左右の主翼に2つずつついているメイン・エンジンを、すべて始動させます。しかし、4つとも同時にスタートさせるわけではありません。一つずつ順番にスタートしていきます。

エンジンには左から右への順で、No.1からNo.4まで番号が振ってあり、コックピットでの表示もそれに準じています。No.1が左主翼の外側、No.2が左主翼の内側、No.3が右主翼の内側、No.4が右主翼の外側。

離陸する際は、エンジンの番号としては逆順になりますが、機体の右についているエンジンから、左についているエンジンへと、順番にスタートしていきます。

ですから最初はNo.4、右主翼の外側から始動。

オーバーヘッド・パネルの「エンジンスタート・スイッチ」のNo.4をONにします。パネルのほぼ中央なので見つけやすく、わりと楽に手が届くはずです。これで、APUから送られてくる高圧空気がNo.4のスターターに届き、スターターを動かします。それによってメイン・エンジンが回転を始めます。

メイン・エンジンの回転の増減については、すぐ手元のコントロール・スタンドにあります。

スラスト・レバーが、座席に座ったまま軽く腕を曲げただけでつかめるところ、すぐ手の届く位置についています。これを前方に押しやるとエンジンの回転が上がります。

リバース・レバーがスラストレバーに付随していて、これは逆推力装置。エンジンの推力を逆向きに切り替え、機体の前方に向かって使うことができます。これを使うとトーイングカーなしで飛行機がバックできるのですが、燃料がもったいないので(トーイングカーの方が燃料が安い)、非常時や濡れた路面コンディションでの着陸時などに滑走距離を短縮するのに使います。

さらにその近くに「燃料コントロール・スイッチ」があります。

スラスト・レバーやリバース・レバーは、動かさずそのままで。今使うのは「燃料コントロール・スイッチ」の方です。メイン・エンジンが動き出したら、「燃料コントロール・スイッチ」のNo.4をRUNに倒します。RUNに倒すことで、ジェット燃料が燃焼室に流れて届き、点火します。

ここからエンジンは自力運転となり、APUの力を借りなくてもよい段階になります。

・オーバーヘッド・パネルの「エンジンスタート・スイッチ」で、エンジンが動き出す。
・コントロール・スタンドの「燃料コントロール・スイッチ」で燃料を送り、点火する。

現在のジャンボ機のエンジン始動は、そういった手順。

エンジンの回転や排気ガス温度(EGT)の現在状況は、EICASで見ることができます。EICASの画面があるのは、正面のパネル中央にオート・フライトがあり、その下。縦に2つ、EICASの画面が並んでいます。エンジンの回転などが表示されるのは上の画面です。

No.3からNo.1のメイン・エンジンについても、順番どおり、No.4と同様に始動。メイン・エンジンのスタートはそれで終わりです。

簡単すぎて拍子抜けしますが、つい最近まではそうはいかなかったそうです。

かつてのジャンボ機のメイン・エンジンの始動は、もっと複雑でテクニカルなものでした。最新のジャンボ機は、ここまでに進化を果たしたということになります。

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