「ドローン」と「UAV」同じものを分けて調べる意味とは?

市場調査・コンサルタント会社のシード・プランニングは「産業無人機(飛行機・ヘリ)の現状と用途別市場動向」という市場調査レポートを販売しているのですが、どうやらその内容というのが「ドローン」「UAV」「マルチコプター」が用いられる産業分野についてそれぞれ調査したものらしいです。

ここで「ん?」となった人は、それなりに知識をお持ちの方と思います。そう、調査対象の分類が少し変。

まず「UAV」これは「Unmanned aerial vehicle=無人(リモートコントロール)の航空機」という意味です。そして、wikipediaの英語版で「Unmanned aerial vehicle」の項を見ると、「commonly known as a drone=一般的にドローンとして知られている」との説明があります。

つまりUAVとドローンは同じもの。いわば「自動二輪車」と「オートバイ」が同じものであるというのと同じことです。

「マルチコプター」は複数のローターを持つヘリコプターのことで、無人のものに限定されてはいませんが、主に無人のものをマルチコプターと呼ぶことが多いようです。ローターが二枚のツインコプターからローターが8枚のオクトコプターまでがあって、ホビー用などで普及している小型マルチコプターでは、ローターが4枚のクアッドコプターが比較的よく見られます。

そして、日本では「小型マルチコプター=ドローン」のように言われていますが、リモートコントロールの無人マルチコプターはあくまで「ドローンの一種」に過ぎません。

この簡単な説明で「ドローン」「UAV」「マルチコプター」に分けた調査というのがどれだけ的外れなことかわかると思います。これはつまり、言葉の定義を知らずに「ふわっとした印象」のまま使おうとする日本人特有の分類と言えるのではないかと思います。

ちなみのこの「産業無人機(飛行機・ヘリ)の現状と用途別市場動向」は、8万円するそうです。それを払う価値があると考えるかどうかは、それぞれの判断によるとしか言いようがありませんが・・・。

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