ドローンの名前の由来と活用方法の問題点

1.無人飛行機がなぜ「ドローン」なのか

アメリカ・アマゾンが無人飛行機「ドローン」を使って、わずか30分で自宅まで商品を配達してくれる。

2013年12月、このニュースが報道されると、「ドローン」の名前は、いろんな意味で世界中に衝撃を与えました。

無人の小型飛行機が、発注から30分以内に自宅まで商品を配達してくれる。のは良いのですが・・・

なぜ「ドローン」なんだ。

どこかの住宅のコマーシャルみたいですが、こんなに「もっさり」とした雰囲気の名前の飛行機は、いまだかつてありませんでした。

宇宙探査機につけられた「はやぶさ」は、日本の昔の戦闘機にもあった名前です。

他にも鷲、鷹、翡翠(ひすい)。すべて鳥の名前です。鳥ではないものだと、疾風、紫電改(しでんかい)など。紫電は紫色の電光のことをいいます。

飛行機の魅力は空を飛べることとスピード感ですから、日本に限らず、ガルフストリームなどスピーディな語感の単語が多いのです。

実は「drone」は英語で「雄バチ」の意味。蜂の羽音の意味もあるので、エンジン音が似ているからと命名した可能性があります。

ですが命名者が誰であるか、命名の理由はなにか、公表されていないのもドローンの特徴。droneの名前には諸説が生じています。

アメリカで「ドローンズ」と呼ばれている未確認飛行物体があり、芸術的な姿をした新型UFOのことを言いますが、無人飛行機の命名とは関係ないようです。

他にもロボット説あり、不活発な活動を意味する単語でもあり、変化しない長音を示す音楽用語でもあり・・・ドローンは謎の名前となっています。

2.「ドローン」は普及し、定着した飛行機です。

ドローンをはじめとする無人飛行機は、一時的なブームで流行している商品ではありません。すでに世界中に普及し、生活の中に定着。次々と活躍の場を広げています。

その開発の始まりは、米軍の攻撃機でした。

「飛行機に乗り込んで攻撃するより、無人飛行機を操縦して攻撃する方が、兵士の負担が少ないはず」と考えた人がいて、開発が始まったのです。2002年の時点で、米軍が保有する無人飛行機は200機くらい。

約10年後に1万機を超え、兵器の一つとして作戦に投入されるのが当たり前の時代になっていきますが、実際には「飛行機に乗り込んで操縦するよりも、むしろ兵士の心の負担が大きい」ことが判明し、今後の課題となっています。

「20センチから30メートルまで」と言われていた機体の大きさについても、従来のイメージではなくなりました。

最新機は蝶を思わせる極小サイズからあり、ボーイングから待望の超大型機が登場しています。こちらもなぜ・・・と立ち止まりたくなる名前ですが、45メートル級の「ファントム・アイ」。おそらく現時点で、世界最大の無人飛行機です。

無人飛行機を扱っている国は50カ国以上。発祥地のアメリカだけでなく、中国、イスラエル、イランなどが知られています。

使用分野も、かつての軍事目的ひとつきりではありません。農業、撮影、輸送、医療など、軍事目的から平和利用へと移行しつつあります。

ドイツでは、本土近くにある保養地の島へ医療品を配達するのに、無人飛行機が使われています。オランダでは無人飛行機にAEDを搭載するアイデアが出ているそうです。

もちろん日本でも、ドローンは縦横無尽の大活躍をしています。

たとえば、発電所などのダムはいつでも点検や手入れが必要ですが、無人飛行機ならダムのどこへでも接近し、表面に亀裂などがないか、撮影や観察ができます。最近では火山が噴火したとき、有人ヘリでは近づけない地域のデータ収集を行い、二次災害の防止に貢献しました。

3.無人飛行機と、他の交通手段が共存するには

アマゾンが「無人飛行機ドローンによる30分配達に挑戦する」と発表したのは2013年12月。大人気が予想されていました。

ところが実際は、「いきなり自宅内に飛行機が飛び込んでくるなんて気味が悪い」「超高層マンションに住んでも、飛行機では自宅に入られてしまう」と不安を訴える人が多くなっています。配達を装った無人飛行機に、無断撮影などをさせるのが簡単だからです。

日本では実際に、逃げる人を追いかけて、顔を撮影する無人飛行機が開発されています。警備用ですから、撮影者につかまることなく撮影できるよう工夫されています。無人飛行機に「相手を撮影することが警備に必要かどうか」は判別できませんから、誰でも無断撮影される可能性が出てきたのです。

2014年11月、アマゾンはニューヨーク名物のタクシー・イエローキャブでの配達を検討しはじめました。12月には同じくニューヨークで、自転車による配達テストも始めています。

ドローン配達に関してはFAA(アメリカ連邦航空局)との交渉に時間がかかっています。それもあって、「無人飛行機と30分配達に固執することが、顧客の安心と満足につながるのか」アマゾンが模索を始めたようなのです。

FAAは「アメリカの航空輸送の環境の安全を維持する」ために設けられた組織です。これまでアマゾンの無人飛行機の商業利用について毅然と対応してきましたが、目的は航空輸送の安全であって、ドローン普及の妨害ではありません。

FAAの対応は、結果的にアマゾンの進化につながりました。顧客満足と、ニューヨークの交通機関をフル活用することが、アマゾンのテーマとなりつつあるようです。

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