シャークレットの採用に慎重なLCCの経営的判断とは?
紙飛行機を折るときに、翼の両端を軽く上に折ったことはないでしょうか?
空港に行ってジェット機を見ると、それと同じように翼の先端に小さく上向きに折れた部分を持った飛行機があることに気づきます。この翼の先端の折れた部分を「ウィングレット」といいます。
これをつけると翼の空気抵抗が減り、燃費をよくすることができるとのことで、これを導入している航空会社も増えています。
エアバス機には、本当に効果があるのかどうかわからないような小さなウィングレットがついています。これは「ウィングチップ」と呼ばれていますが、A319・A320・A321は、より大きめのウィングレットに付け替えることができ、この付替え用ウィングレットをエアバス社ではなぜか「シャークレット」と呼んでいます。
中国のLCC春秋航空は、自社保有のA320でシャークレットの効果を調査し、その結果現在保有の全てのA320にシャークレットを装備しています。
しかし、シャークレットの効果に懐疑的な人もいるようで、ピーチ・アビエーションのCEO・井上慎一氏はコスト削減が絶対命題のLCCにおいて、コストが上がるシャークレットについては盲目的には採用せず、燃費改善に有効であるならば採用すると慎重です。
燃費がよくなることで燃料費を節約できるものの、オプション品に付け替えるのはお金がかかる。確かに、激しい競争の渦中にあるLCCにとっては、判断が難しいところなのかもしれません。