飛行機の機内では不穏な会話は慎むべき!?
「口は災いの元」といいますが、世の中口に出してしまったことで、それが仮に本気でなかったとしても冗談では済まされないことがあります。
特に、他者に危害を加えるような言説はいけません。
それは2017年6月のこと。
スロベニア発イギリス行きの飛行機が、ドイツのケルンに緊急着陸しました。その原因は、乗客である3人のイギリス人が爆弾の話をしていたのを他の乗客が聞きつけ、乗務員に報告したためでした。
飛行機が緊急着陸した後、ケルンの警察はこのイギリス人たちを拘束。全乗客を避難させたものの、実際には爆弾や爆発物は発見されず、イギリス人3人も釈放されています。
しかし、その影響でケルンの空港では2便が欠航となり、20便に遅延などの影響が出ました。この騒ぎを起こしたイギリス人がどうなったのかは不明ですが、刑事罰にはならなくても賠償金は請求されるはず。
もしかしたら、ただの狂言に緊急着陸をしたパイロットが悪いなどと言い出す人がいるかもしれませんが、本当に爆発物があれば多くの命が失われる可能性があるわけで、機内の安全に対する責任を持つ機長がこうした判断をしたのは妥当。
機内で旅客が急病になった、急死したというようなとき以外、旅客が飛行中の飛行機を緊急着陸させたり、引き返えさせてしまった場合は、賠償責任を問われます。
これは各航空会社の約款に定められていること。
例えば以前、スカイマークの飛行機のフライト中、乗客のモバイルバッテリーが発火したために緊急着陸したという出来事がありました。
この場合は故意ではありませんが、約款では過失であっても損害賠償をしなければならないとなっています。
わざとではなくてもその他大勢の乗客に迷惑をかけた責任は重いのです。
今回のようなただ不穏な会話をしただけという場合でもそれは同じこと。「そんなつもりはなかった」と言っても通用しません。
ですから「口は災いの元」で、自分の口から出た言葉には責任があるということを自覚すべきなのです。