次世代飛行船で物流インフラに新風?

日本の交通インフラは世界一といっても過言ではないくらいに整備されていて、私たち日本人にとってはこれが標準という感覚があります。

公共交通機関の電車やバスは都会であれば数分おき、時間どおりに走っていますし、ほぼ各県に空港もあります。

物流に至っては、郵便物は毎日届けてもらえる上、宅急便も日にちや時間帯指定までできる充実ぶり。

しかしながら、世界には飛行機が離着陸できるような空港や滑走路がないところや、鉄道や道路といったインフラさえも整っていないところもまだまだ多くあります 。

船という輸送網もありますが、内陸の地域には到達しなかったり、船の速度では輸送に耐えない物資もあるのが実情。

そのような物流インフラが整っていない地域への新たな輸送インフラ手段として、アメリカのロッキード・マーチン社が「Hybrid Airship」の2018年からの販売開始を発表。

ロッキード・マーチン社のプレスリリースによると、世界の土地面積の半分以上、世界人口の3分の2が舗装道路に直接アクセスできない状態とのことで、この様な場所には航空機が離発着できる空港や滑走路もないと予想されます。

そこで同社が今回開発したのが「Hybrid Airship」、直訳するとハイブリッド飛行船で、これまでの飛行船のように比重が軽い機体だけを頼りに浮力を得るのでもなく、飛行機のようにエンジンの動力のみで揚力を得るのでもないということで、まさに機体の軽さとエンジンの揚力の合わせ技によって浮揚するハイブリッドな飛行船ということだそうです。

この「Hybrid Airship」は150メートル長の土地があれば離発着が可能。

さらに、本体にエアクッションが付いているため、整地されていないような草原や氷雪上といったところでも離着陸できるのも特徴。

更に、一見すると風に吹かれて飛んで行ってしまいそうな飛行船に見えますが、実はその積載量は21トン、航空速度は60ノット(時速約111キロ)もの能力を持っているというから驚き。

この「Hybrid Airship」があれば、物流に必要なインフラが整備されていない地域へも迅速にしかも大量に物資を輸送することが可能。

また、「Hybrid Airship」による運搬に必要な燃料についてはヘリコプターと比較すると7~8倍安い燃料費で賄えるため、輸送コストも安くなる上、何より陸上や海上輸送よりも速いのが大きなメリット。

交通インフラが整備されていない地域にも有効ですが、災害地域などへの緊急性の高い物資運搬の場面でも活躍が期待されます。

この「Hybrid Airship」、飛ぶ姿はUFOのようだといいます。

この新しい飛行船のことを知らない人が上空を飛行している姿を見たら、飛行船や飛行機、ヘリコプターでもないその姿に、UFOの目撃談が出てしまうかもしれませんね。

関連記事

ページ上部へ戻る