『ドローン規制法案』ではテロを防げないという現実

2015年7月14日、主にドローンをターゲットとした航空法改正案が閣議決定され、国会に提出されました。これはもちろん、首相官邸その他の場所で発生したドローン墜落を受けてのもので、あいかわらず責任逃れのための泥縄的な規制法案に関してだけは対応が早い国です。

改正案ではまず、ドローンを「無人で遠隔操作や自動操縦で飛行できる飛行機・ヘリコプター」と定義しました。その上で、人や家屋が多く集まる地域の上空及び、一時的にたくさん人が集まるイベントや祭り会場、そして、空港周辺や航空機の安全に影響を及ぼす恐れのある高度での飛行を禁止としています。

また、それら住宅密集地や空港周辺でドローンを飛ばす場合は、国土交通大臣の許可が求められます。

つまり、住宅地などで一般人が単に趣味的にドローンを飛ばすことはほぼ禁止となり、輸送や撮影などの仕事で飛ばしたかったら許可をとれということですね。

また、日中機体を目視できる範囲でしか飛ばしてはいけないという規制も盛り込まれるようで、同様の規制案はアメリカでも出されていますが、これについてはドローンによる無人配送を計画しているアマゾンが強く反発しています。日本では特に反発もなく通過すると思われますが、日本の場合は宅配業が異常に発達しているので問題ないでしょう。

さて、この改正案が国会を通過すると、一般人は自宅の敷地内か人が居ない山中などでしかドローンを飛ばせないということになり、当然ホビードローンの市場は狭められ、今でも遅れているドローン開発技術がより遅れるということになると思いますが仕方ないですね。

それはそれとして、この改正案では目立ちがりやの子供のいたずらは防げるようになっても、悪意がある者のテロ攻撃に対してはこれっぽっちも役に立ちません。そういう点ではやはりアメリカは現実的で、NASAはレーダーや衛星、そして携帯キャリアのベライゾン・コミュニケーションズが持つ、携帯電話の追跡システムを利用したドローン追跡システムを開発しています。

ベライゾン・コミュニケーションズは、アメリカの人口の1/3にあたる1億人もの加入者を擁する巨大企業で、その通信ネットワークも全米に張り巡らされています。この大規模ネットワークと、レーダー、衛星からのデータを合わせてドローンを監視すれば、重要施設や軍事施設へのドローン接近にも即応できるようになるはず。

法整備による規制ももちろん大切ではありますが、日本にもこうした現実的な対応システムがなければいけないはずです。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る