パイロットが手動で操縦する時間は何と○○分!?

私たちが乗る飛行機で、パイロットが自分で操縦している時間はどれくらいあると思いますか?

操縦するシステムが自動化が進んでいることはよく知られている話ですが、パイロットの業務は航空機を操縦することと考えれば、車と同じで飛行中はずっと操縦しているような気がします。

しかしながら、ニューヨークタイムス紙の記事によると、ボーイングB777のパイロットが手動(マニュアル)で操縦する時間は1フライトにつき平均で7分、更にエアバスの機材であればその半分に過ぎない程の超短時間だそうです。

マニュアル操縦の時間は思っている以上に非常に短く、それ以外のほとんどの時間はいわゆるオートパイロットと呼ばれる自動操縦システムが担っているのが実態なのだそうです。

航空機自体のAI(人工知能)化やロボット化もかなりのレベルまで進んでいると言えるでしょう。

アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)が、副操縦士の役割を担うロボットの開発を2015年夏に開始することになりました。

機長の隣に座って副操縦士として操縦桿を握るロボットを開発するとのことで、以前からある程度の計画が進んでいたものと思われますが、2015年3月のジャーマンウィングス機の墜落事故もひとつのきっかけとなっているようです。

精神疾患などから予測できない行動をしかねない人間よりも、ロボットに操縦を任せる方が安全であるという考え方もあるのでしょう。

しかしながら、コックピットから完全に人間を排除して、ロボットだけで操縦をするというわけではないようです。技術的には可能な話ですが、利用する側からみれば、ロボットが操縦して空を飛ぶ飛行機に乗るということには不安を感じざるを得ません。

機長は従来どおり人間が担当し、副操縦士の業務をロボットが行うということになることを想定しているそうです。

また、このロボット開発が実用化されれば、航空会社にも経済的に大変なメリットがあります。

2007年にアメリカ航空宇宙局(NASA)が発表したレポートによると、旅客機の副操縦士にかかる人件費などを含む諸コストの総額は全世界で年間数十億ドル(数千億円)にのぼるとのことです。

この副操縦士の仕事を自動化すれば、航空会社は年間数千億円も節約できるということになりますが、副操縦士の経験を経ずして機長にはなれないため人間の副操縦士の養成は継続する必要がありますので、単純に数千億円という金額がゼロというような話にはならないでしょう。

というわけで、空港の管制官がリモートコントロールで旅客機などを操縦するという少し現実的な選択肢も検討されているようです。

これは技術的にも可能とされているため、既にNASAの研究所では必要とされる特殊なシステムの調査とシミュレーションに着手しているといいます。

仮にこれが実用化を迎えれば、同時に何便もの航空機が行き交うような混雑時でも、少数の管制官が多数の航空機を遠隔操作できるようになるそうです。

オートパイロットが万能でないように、ロボットもリモートコントロールについても行き過ぎは禁物と思われます。

多数の人命がかかっている以上は、自動化やシステム化を導入していくとしてもコスト削減を重視して闇雲により行うより、安全を優先させるべきなのは言うまでもありません。

機体を安全にコントロールする上で、コックピットのパイロットつまりは人間にしか分からない特殊な現場感覚のようなものがあるそうです。これはロボットやリモートコントロールで代替して行えるものではないと、アメリカのエアライン・パイロット組合は反論しています。

また、技術者の中にも過度の自動化に懸念を示す人がいるようです。

話は戻って、DARPAが開発を進める副操縦士ロボットは、外界を認識するための視覚能力や人間の言葉を聞きとるための音声認識能力、会話能力、さらには操縦かんを握って動かしたり、コックピット内の小さく複雑なスイッチ類を操作するための運動能力も備えることいなります。

となると、外見はヒューマノイド(人型ロボット)になる可能性が高いでしょう。

将来的には、人間の機長とヒューマノイド・ロボットが副操縦士として操縦し、緊急や異常事態の発生時には空港の管制官が機上のパイロットをオーバーライドして遠隔操作できるような仕組みになるのかもしれません。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る