旅客機についているナビゲーションライトの重要な役割とは

旅客機には、さまざまなライトがついています。夜空を飛ぶ旅客機を見上げると、進行方向に向かって右側の主翼の先端には緑のライト、左側の主翼の先端には赤いライトが常時点灯しているのがわかります。これを「ナビゲーションライト」といいます。右が緑、左が赤というのは、全世界、すべての航空機に共通したものです。なぜ、そう決まっているのでしょうか。

緑と赤の意味は、交通信号と同じと考えてよいでしょう。つまり、緑は「安全」のシグナル、赤は「危険」のシグナルです。たとえば、夜間飛行中の旅客機のコックピットから、右前方に別の航空機が見えたとします。

この航空機が右前方から左前方に向けて、こちらの航路を横ぎるように飛行しているのか、あるいはこちらの前方をすでに通り過ぎたあとで、さらに右方向へ離れていくところなのか。暗闇で機体がよく見えなくても、ナビゲーションライトで判断することができます。

もし右前方の航空機に緑のライトが点灯していたら、自機から離れていく航空機であり、パイロットはこのままの針路で航行をつづけても「安全」と判断します。一方、赤いライトが点灯していたら、自機の前を右から左へと横断しようとする航空機ということになり、このまままっすぐ飛びつづけるのは「危険」と判断します。

そして、その際は、機首を右に振り向けて、衝突を避けるのです。巡航中の旅客機の速度は時速800~900kmで、秒速に換算すると250mという猛スピードになります。視界に他機が見えたら、パイロットは瞬時にその航空機がどの方向に向かって飛んでいるのかを理解し、衝突やニアミスを避けるために、自機をどのようにコントロールするかを判断しなければなりません。その瞬時の判断を助けるのがナビゲーションライトなのです。

では、もし真正面に、接近してくる他機が見えたらどうするか。これには特別なルールがあり、お互いに機首を右に振って対向機を避けることが定められています。空の交通ルールでは、「右側通行」が原則なのです。これは、海上における船の交通ルールからとり入れられました。かつて、水上飛行機と船が交差して運航するようになった時代、海上の衝突予防法に従っていたものが、そのまま航空界でも使われるようになったのです。

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