パイロットと管制官が使っている言語は、英語?それとも・・・
世界中にさまざまな言語がありますが、もっとも響きが美しい言語はフランス語であると言われています。フランスには「何かに美しくない名前をつけることは犯罪だ」という言葉まであるそうです。
離発着でパイロットと管制官が使っている英語も、フランス語に負けず劣らず美しい響きの言語で、音楽のように心地よいリズムを持っています。
この管制の際などに使われる「航空の公用語として使われる英語」は、どこの国の英語とかではなく、航空だけの英語、空の世界だけの言語だそうです。
パイロットをされている方は「英語ペラペラでいいね」とよく言われるそうですが、空だけの言語だし、英語もお国訛りなどで実に多様。乗客からイメージされているような状態ではないそうです。
ですから「離発着時のカッコイイ会話が、全部わかるようになりたい」という人は、普通の英会話教室では、遠回りになってしまう可能性があります。「パイロットと管制官の会話そのものが知りたい」が目的だったら、「ICAO標準英語レベル4」を目指したほうが、近道かもしれません。
パイロットに必須なのは、世界中に通用する英会話というより「航空英語できます」という証明書類です。
標準英語レベル4をめざして個人で受講は可能。もちろん「航空英語」のジャンルがあります。6つのユニットがあり、実際のフライトの流れに沿って、離陸前のチェックから目的地に到着する前後までを再現しています。
いきなり航空英語に入るのは無理という英語力の人でも(TOEIC600点前後が必要です)、航空英語を目指して初歩から受講できるコースがあります。
また、チャーリーとかジュリエットとか、飛行機の離着陸に全く関係なさそうな単語がいくつも出てくるので、「仕事中になにを話しているんだろう」と疑問に思われる方もいるようです。
これは、仕事中に私語をしているわけではなく、雑音などが多く聞き取りにくい無線交信において、聞き間違いを防ぐために使われている「フォネティックコード」です。全世界共通で、たとえばCなら、確実に伝えるために「CharlieのCですよ」とか、他のアルファベットについても「JulietのJです」といった伝え方をするのです。
どんなアルファベットをどんな風に伝えるかは、国際的な決まりがあります。
A Alfa ギリシャ文字
B Bravo 賞賛
C Charlie 英語圏の人名
D Delta 三角州
E Echo 反響、こだま
F Foxtrot 社交ダンスの一種
G Golf ゴルフ
H Hotel ホテル
I India インドの公式名称
J Juliet ヨーロッパ系の人名
K Kilo 単位
L Lima ペルーの首都
M Mike 英語圏の人名
N November 11月
O Oscar ヨーロッパ系の人名
P Papa 父
Q Quebec カナダの地名
R Romeo イタリアの人名
S Sierra スペイン語の山脈
T Tango ダンスの一種
U Uniform スポーツ用の衣類
V Victor 英語圏の人名
W Whiskey 蒸留酒
X X-ray X線
Y Yankee アメリカ人の俗称
Z Zulu 世界標準時
管制官と情報交換しながら打ち合わせを進めて、いよいよ出発です。メインエンジンをスタートしましょう。