旅客機のコクピットから、計器や風景を見ると・・・

国内線のパイロットにたずねると、春や秋のフライトが好きという人が多いそうです。満開の桜前線や、美しい色彩の紅葉前線を見下ろしてのフライトは心が休まる。高層ビルの多い東京も、満開の桜の時期にはとても眺めが良いといいます。

そう聞かされると、飛行中のパイロットがのんびり景色を楽しんでいていいのか、計器のチェックはしなくていいのかと心配になりますが・・・。

パイロットは飛行中、刻々と表示を変化させる計器から計器へ、次々と瞬間的に視線を移動し、もしそこに異常値を見つけたなら、即時に対応しなければなりません。

ですが、旅客機のコクピットの計器類の表示は、素人が見たら何がなにやら判らなかったような従来のものとは、大きく様変わりしています。かつては、旅客機のコクピットといえば、機長、副操縦士、航空機関士(フライトエンジニア)の3人が作業をしていました。

コクピットの計器は50種類以上もありましたから、それらをチェックしながら飛行するのですから、たいへんな作業だったのです。それが今では、機長と副操縦士の2人体制が主流になっています。これは、計器の表示が見やすくなったためです。

最新の旅客機の計器はLCD(液晶ディスプレイ)の表示が導入され、数枚のパネル表示に整理されたために、非常に効率よく見やすくなっています。HUD(ヘッドアップディスプレイ)の導入も進んできました。コクピットの前方のガラスに、見る人の視界をさえぎることなく速度や高度、方位などのさまざまな情報を映し出すものです。

パイロットがまっすぐ前方を見たまま情報を得ることができ、いちいち計器に目をやらなくてもすみますから、それによって視線の移動を減らすことができます。

そうでなくても、旅客機のコクピットから見てみると、着陸すべき空港や滑走路は、非常に狭く細く見えるものです。

いったいどうやってあそこまで旅客機を持っていき、駐機させるのかと思うほどですが、そのパイロットの負担を、計器表示の進化が軽減しているのです。

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