男社会のパイロット職で女性パイロットが奮闘中

近年、国内の航空会社に女性パイロットが誕生しているというニュースを見聞きするようになりました。

もともと飛行機はもとより、乗り物を運転する仕事に従事しているのは男性が圧倒的に多いですが、女性の進出も徐々に進んでいる模様。

ANAは約10年前から女性パイロットが採用されている他、JAL系のJALエクスプレスでは2010年に日本初の女性機長が誕生。新興航空会社のソラシドエアにも女性パイロットがいるようです。

航空業界で働く女性の仕事としては客室乗務員が代表的ですが、2013年にはアメリカの客室乗務員のうち80%を女性が占め、この比率は統計が入手できる2005年以降ほとんど変化していません。

一方、航空機パイロット協会の会員のうち女性が占める割合は約5%、イギリスのブリティッシュ・エアウェイズやドイツのルフトハンザ航空などと、女性パイロットの比率とほぼ同水準となっています。

対照的にアメリカのフェイスブックやヤフーなどのいわゆるIT業界では、約23%もの女性幹部がいるとされているため、いかにパイロットという職種への女性進出が難しいかを物語っているようです。

しかし数は少ないながらも、一流のパイロットとして活躍している女性もいる模様。

シンガポール航空のグループ傘下の格安航空会社であるスクートの女性パイロットである、エバ・マリア・ティエン氏は、シンガポールを拠点とする航空会社では唯一のワイドボディ機を操縦する女性パイロット機長であるとともに教官としても活躍。

世界のパイロットのうち女性が占める割合はわずか3%、シンガポールでは更に少なく約1%とのことですので、ティエン氏の空を飛ぶことにかける意志の強さと技術、愛情がいかに強かったかということをうかがい知ることができます。

「厳しい状況では本当に懸命に働く必要がある」と語るとおり、彼女はヨーロッパでの業務に進んで就き、チャンスを待って昇進後にアジアに移ったという経歴。

自身に続き他の女性もパイロットの座を目指してくれることを望んでいます。

ティエン氏は「少女たちの多くがパイロットになる可能性を考えたこともないという事実に気付いた。少女たちはパイロットになりたがらないというようなとてもおかしなコメントを耳にすることがあるが、ばかげている」と話し、女性をパイロット職に採用しないことによって、航空業界は最も優秀な人材の一部を見逃していると指摘しています。

2014年、科学や技術などの分野のジェンダー問題について考えるプログラムに招かれ、女子小学生を相手に話す機会があったとのこと。

今後もそのような機会を捉え、航空機を操縦することの楽しみ、そしてそれは男女を問わず可能なことだということを伝えていきたいと考えているそう。

パイロットは男性、キャビンアテンダントは女性というステレオタイプはもう古いということでしょう。

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