飛行前にパイロットが最初に確認する事柄は何?

天候の確認から打ち合わせは始まります。目的地が視界不良の時は当然ですが、晴れていて何の問題が無い時でも、絶対に出発地と目的地の天候は確認します。なぜなら、飛行機は風に向かって離着陸しなければならないため。よって風の情報が最も重要で、その情報も、「南からの風がやや強い」という曖昧なものではなく、「方位160度から風速10メートル」といった詳しいものでなければいけません。

屋根などに設置している風見鶏を猿マネしている訳ではないと思いますが、本物の鳥たちも、集団になって、風が吹く方向の電線や港の防波堤などに留まっています。そのほうが留まりやすく、飛び立つときも楽なんでしょう。飛行機も同様で、滑走する距離が短くて済むので、風に向かって離着陸するのです。

使用する滑走路は、風向きによって変更される場合があります。その場合は、誘導路の道順や出発ルートも変わってきます。また目的地での使用滑走路によっては、到着ルートも違ってくるかもしれませんので、飛行機の降下開始地点や減速地点が変わってきます。その結果、燃料消費量も違ってくるのです。

天候調査は、出発地と目的地だけをすれば良いのではありません。目的地に着陸できない場合に備えて代替空港の天候の調査も必要な上、緊急事態に対処するため、航路途中にある空港の調査も行います。また航路上の調査から、飛行機があまり揺れないルートや高度の選定を行い、さらに空中で飛行機に有利になる強い追い風や弱い迎え風になるルートを選定するのです。

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