点検に欠かすことのできない「航空日誌」とは?
飛行機の点検は、定期的に、数時間から1ヶ月もの期間をかけて行われる点検のほかに、フライトから次のフライトまでのわずかな時間にも実施されます。
たった今まで操縦していたパイロットから、飛行機の具合について聞くことができれば、整備する側の整備士にとっても、大いに役立つはずです。
ところが残念なことに、飛行機の異常についてパイロットから整備士に直接話すことは、通常はありません。
そのかわり整備士は、パイロットが記入した「航空日誌」を見て、どう対処すべきかを判断しています。
「航空日誌」とは、航空法によって備え付けが義務付けられているもので、記載内容は以下のようになっています。
1.航空機の国籍、登録記号および登録年月日
2.航空機の種類、型式および型式証明番号
3.耐空類別、耐空証明番号
4.航空機の製造者、製造番号および年月日
5.エンジン・プロペラの型式
6.航行に関する記録
7.製造後の総航行時間および最近のオーバーホール後の総航行時間
8.エンジン・プロペラの装備換えに関する記録
9.修理、改造または整備の実施に関する記録
特に、6の航行に関する記録には、「航空機の航行の安全に影響のある事項」という項目があって、フライト中にパイロットが、エンジンや計器類などの異常を察知した場合に記入することになっています。
整備士は、ここに記載があれば、次のフライトまでの短時間に対処しなければならないのです。
整備が終われば、今度は、整備士が整備内容やパイロットへ伝えておくべきことを記入します。
そして、パイロットはそれを読んだ上でフライトに臨むのです。