空港で手荷物を預けるのもセルフ化に?

お盆や年末年始など飛行機を利用する方が多い時期や、出発便が重なる時間帯の空港には長蛇の列が・・・。航空券の購入や搭乗手続きにセルフ化が進み、国内線ではチェックインも不要という航空会社が多くなり、行列に並ぶことはなくなってきているはずなのに・・・。

この行列の正体は手荷物を預けるためのカウンターに並んでいる人達。羽田空港で手荷物を預ける乗客は1日およそ1万3,000人と言われており、早朝や年末年始などのピーク期には10分以上の待ち時間が出ることも珍しいことではありません。

スムーズに飛行機に乗れると期待しているとがっかりしますし、急いでいるときなどは飛行機に間に合うか心配になってしまいますよね。

そこで日本航空(JAL)が手荷物カウンターの混雑を解消するべく動き出しました。

セルフで手荷物を預ける機械を設置することで、混雑を緩和し顧客満足を高めると同時に業務効率の向上を図るというもの。2015年3月から導入を開始し、まずは羽田空港に設置して実績を積み上げたうえ、伊丹・新千歳・福岡などの主要空港にも順次設置していく予定となっています。

このサービスは「JALエクスプレスタグサービス」という名称で、はじめに導入される羽田空港では国内線第1ターミナルの南ウイングに6台、北ウイングに4台の計10台が設置。

セルフ機を利用するためには搭乗券やIC付カードを持っているなどの条件がありますが、ビジネスマンや飛行機を利用する頻度の高い乗客はこのセルフ機を進んで利用するものと想定しているそうです。

新しい手荷物チェックインの方法は、セルフ機に搭乗券やIC付カードを読み取らせ、荷物の個数を入力します。あとは発行されたタグを手荷物に付け、これまで同様手荷物カウンターのスタッフに渡すだけと大変簡単。

これまでの対面式のカウンターでは手荷物を預けるために1人あたり60秒程かかっていました。

新方式ではセルフ機での手続きに40秒+カウンターでの手渡しに20秒でトータルで60秒と所要時間は変わりませんが、セルフ機での手続きを終えた乗客がカウンターに行っている間に次の乗客が手続きを始めることができ、カウンターで預ける時間も短縮されることから混雑の緩和が期待されます。

なお手荷物のX選検査について、インラインスクリーニングが導入されている空港では手荷物を預けた後に実施されるため、乗客がX線検査機まで運ぶ手間もありません。もし手荷物の中に危険物などの持ち込み禁止品が入っていた場合は出発前に搭乗ゲートで返却や放棄などをすることになります。

とはいえ、セルフ機の操作が不安という方のためにこれまで同様スタッフが手続きを行うカウンターも引き続き残してもらえますので、ひと安心ですね。そしてファーストクラス利用者やマイレージ上級会員の方の手荷物は、専用の有人カウンターのみで受け付けるとのことです。

欧米ではこのようなサービスが先行しており、フィンランド航空が同様のセルフ機を既に導入しているヘルシンキ空港では導入前に100メートル程あった手荷物カウンター前の行列が10メートルにまで短縮されたいう効果が実証されていることで、今回JALが導入に踏み切ったとのことです。

航空各社はIC付カードの利用者は空港での搭乗手続きを省略したり、ウェブサイトやスマホでチェックインできるなど簡略化を進めています。手荷物についてもセルフ機の導入による半自動化で効率化を期待され、他の航空会社も同様のサービスを検討していく可能性は高いと思われます。

LCCの参入などで航空業界は厳しい競争環境にある中で、航空各社では他社との差別化と業務の効率化が命題となっています。

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