速度を確認しながら行うフラップ ワンの操作

降下のため滑走路に近づくと、飛行機はさらに減速します。できる限り減速したほうが短い距離で着陸できるからです。

鳥が一気に翼を大きく広げてふわりと着陸しますが、これは減速のために空気抵抗を増やすだけではなく、着地するまで自分の体重を支える揚力を維持するためでもあります。

飛行機も同じで、減速しても飛行機の重さを支える揚力を維持することが必要ですが、速く飛ぶことを考えた翼だけでは無理があるため、フラップを活用します。ただ、このフラップは大きくて重いため、少しずつ広げていき、上昇の時と同じようにフラップが壊れないための最大速度と失速を起こさない最小速度が決まっています。

このような理由から、パイロットは「チェック、エアスピード、フラップ ワン」と必ず対気速度計を確認しながらフラップ下げの操作を行います。クラシックジャンボ機世代の飛行機は対気速度計に「バグ」と呼ばれる小さな針を指先でセットしていましたが、FMSが装備されている世代の飛行機では、対気速度計に自動的に表示されています。

また、フラップ・レバーをセットする値は機種により異なり、エアバス機の場合はフラップを下げる角度に関係なく合理的に“0、1、2、3、FULL”となっていますが、ボーイング機はおよその“フラップ下げの角度”をセット値としています。

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