パイロットが食中毒になってしまったら・・・

旅客機には2名以上のパイロットが乗ることが定められています。しかも、航空機の機種ごとに操縦士の免許は異なるため、ボーイング747の免許を取得したパイロットでなければ、ジャンボ機の操縦はできません。つまり、パイロットは1つの免許で1機種にしか乗務することができないのです。

車に例えるなら、クラウン専用免許と、カローラ専用免許があるといったところでしょうか。

もし、別の機種の航空機を操縦しようとするならば、あるいは以前に操縦した経験のある機種に復帰しようとするならば、そのための訓練を新たに受けなければなりません。また、複数機種の免許をもっていても、同時期に乗務できるのは1機種と決められており、複数機種の掛け持ち乗務は認められていません。そして、フライトの際に乗務する2人以上のパイロットは、もちろん、皆その機種の操縦資格を持っている人たちです。そのうちの1人あるいは2人がフライトの最高責任者として、機内全体におけるあらゆる権限を握っている「機長」です。

機長は航空法で定められた「定期運送用操縦士」の資格のほかに、各航空会社で定めている「路線資格」も取得していなければなりません。もう1人のパイロットは「副操縦士」といい、コックピット内で機長の操縦をサポートするのと同時に、地上との無線交信を行なったりもします。したがって、副操縦士以上の資格をもつパイロットは「航空級無線通信士」の免許も持っています。

最近は、航空機の操縦もほとんどが自動化されており、実際のところ、コックピットにおける作業量はパイロット1人でも十分まかなえるのですが、フライトの途中に機長が突然意識不明に陥ったり、ミスを犯したりするともかぎりません。そうした不測の事態も考慮して、最低2名がコックピットに入ることになっています。

不測の事態のなかには、「機内食で食中毒にかかるかも」という想定まで含まれています。そのため、機長と副操縦士の食事メニューは必ず異なります。フライト中は、パイロットが全員操縦席を離れるわけにはいかないので、食事は交代で食べるのですが、メニューは別々です。もし全員が同じ食事をとって、ともに食中毒にかかりダウンしてしまったりしたら大変だからです。

たとえば、コックピットに入るのが機長、副操縦士、航空機関士の3人なら、メニューも調理する人も皆別々になっています。ただし、機長は豪華メニューで、副操縦士はランクを落としたメニューなどという差別はしていません。念のため・・・。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る