スマホのバッテリーに使われるリチウムイン電池が航空輸送禁止に

飛行機に乗るために手荷物を預ける時、手荷物カウンターで「危険物は入っていませんか?」と聞かれると思います。航空会社では、飛行機事故の原因となりうる危険物の輸送を厳しく制限しているのです。

2010年にアメリカのUPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)の貨物機がドバイ近くの砂漠に墜落しました。この事故は、スマートフォンなどにも使用されているリチウムイオン二次電池による火災が原因とされています。

同様の火災事故を懸念し、2015年に入って少なくとも航空会社18社がリチウムイオン二次電池の貨物輸送を禁止し、パイロットらはより安全な輸送が確率されるまで全ての旅客便での大容量の電池運搬を禁止するよう求めているといいます。

一方、スマートフォンの使用者数は年々増加の一途を辿っていて、日本での普及率は50%にも及ぶといわれています。

世界規模で考えると、6兆4,000億ドル(約768兆円)規模にまで拡大した世界の航空貨物市場からリチウムイオン電池を除外することになれば、アメリカ・アップル社のiPhoneから中国・レノボグループ(聯想集団)のノートパソコンに至る製品を動かすテクノロジーの供給網分断のリスクが生じることになるのです。

電池メーカーの業界団体によれば、毎年生産される電池55億個のうち最大30%が航空機で輸送されており、今回の貨物輸送禁止措置によって、オーストラリアとニュージーランドでは既に除細動器の電源パックの供給に影響が出ているといいます。

PRBA米国電池工業会のエグゼクティブディレクターであるジョージ・カーチナー氏はインタビューで、「リチウム電池を出荷するどの企業も影響を受けている。中小企業だろうが大企業だろうが全てだ」と語っています。

IATA国際航空運送協会の資料によると、世界の貨物輸送の上位4社であるエミレーツ航空、キャセイ航空 、カーゴルックス航空、カタール航空はいずれも2015年1月より大容量電池の航空輸送禁止の措置を取っています。

また、トップ10の一角であるシンガポール航空では旅客機への持ち込みが禁止、デルタ航空とアメリカン・エアラインズ・グループ 、ユナイテッド航空では旅客機および貨物機の双方で輸送を禁止しています。

今後、需要に見合った輸送形態の整備は可能なのでしょうか?電池製造メーカー、航空会社、国等、関係各社の安全性への詳細な検討が必要な時期に来ています。

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