ジャイロスコープで制御する飛行機の姿勢

出発ゲートの位置を飛行管理システムに入力すると、正確にフライトする準備が整いますが、なぜそうなるのでしょう。

その答えを知るには19世紀の出来事を知らなければなりません。地球の自転について証明したフランス人、レオン・フーコーは、地球の自転を証明するために、「回転するコマの軸は宇宙の一点を指し続ける」という性質を利用しました。

そのコマの性質を利用した装置をジャイロスコープと呼びます。ちなみにジャイロとはギリシャ語で「回転」を意味し、スコープは「見る」を意味します。よって日本語の意味を繋げると回転を見る装置となります。現在は略してジャイロと呼ばれる方が多いようです。

飛行機はこのジャイロの性質をかなり前から利用しています。ジャイロの性質から、その回転軸を垂直にしてみると、仮に飛行機が上下左右どちらかに傾いても、回転軸は関係無く一点だけを指し続けるので、その差を計算すれば、傾いた角度を算出することができます。また、回転軸を進行方向にすれば、飛んでいる方向までわかってしまうのです。

しかし問題点もあります。飛行機が移動しても、地球の自転によっても、回転軸が地球の中心から北の方へズレてしまうのです。そのために、進行方向の回転軸は、真北の方角へ、また垂直方向の回転軸は地球の中心方向へそれぞれ向くように調整する必要があるのです。

機械を使って制御する方法もありますが、現在の主流は、地球の自転と、入力した現在位置を検出し、真北と水平をコンピューターで算出する方法です。

ジャイロの軸をある一定方向へ制御することを自立制御と言います。そして自立制御を行い、自立するまでは飛行機を動かすのは厳禁となっています。

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