高度1000フィートになったら、オートパイロットをON

高度が1000フィートになったところで、オートパイロットのスイッチをONにします。

ジャンボ機が動き出してから、初めて機長が操縦桿から手を離します。ここで、成田タワーから成田ディパーチャと交信するよう言われます。

ディパーチャとの交信が始まったころ、機体の高度は1300フィート前後。現在の高度など必要な項目を伝えると、ディパーチャはレーダー誘導を開始し、副操縦士には機体を上昇させ7000フィートを維持するよう指示が来ます。

離陸時の管制は、おおむねクリアランスデリバリ、グランド、ランプ、タワー、ディパーチャの順です。

その後、ジャンボ機は離陸推力から上昇推力に変更されます。

上昇推力に適切な値はその日の気温や飛行機重量で変化しますが、これは出発前に値を「FMS」に入力してあります。その値に従って、自動でスラストレバーが動き、上昇に移行してくれます。

<FMS>

flight management system。EICASの上下2つある画面のうち、下の画面の左右にあります。

FMSには、航法データベースが記憶されています。

空港、滑走路、スポット、航空路、飛行ルート、ILS/VOR/DMEなどの航行援助施設、空港ごとの出発/進入方式などの情報)を記憶しており、パイロットは必要なとき、いつでもそれらのデータを見ることができます。

<離陸時のフラップについて>

離陸推力から上昇推力に切り替える頃、フラップの角度を変更し、格納します。離陸時は10度または20度にすることが多いようです。

フラップ10度で離陸すると上昇性能は良いが、フラップ角度か浅いため失速速度が大きくなり、V2の数値も大きくなるので離陸距離が長めになります。フラップ20度のほうが上昇しにくいのですが、離陸距離を短くできます。

長距離の国際線では20度、短距離の国内線では10度とすることが多いようです。

離陸時に20度にしておいたフラップは、PFDの速度計に合わせて段階的に切り替えていきます。

環境によりますが、たとえばV2プラス20ktになったところで、フラップを20度から10度に、V2プラス40ktになったら、10度から5度に、V2プラス60ktで5度から1度、V2プラス80ktでフラップを0度(すべて格納する)という手順です。

現在は速度計に「フラップをこの角度に」と表示されますが、以前はそういったものがなく、必要な数値をメモして用意しておいたそうです。

だいたい5000フィートくらいで、ディパーチャから指示が来ます。ルートによりますが、銚子のVORTACに直行すること、高度3万1000フィートまで上昇して維持することを指示されるようです。

VORTAC(ボルタック)はVOR(超短波全方向式無線標識)とTACAN(戦術航法装置)を併設したもので、TACANの距離測定機能が民間でも使用されています。

ディパーチャには、ここからはFIRと交信を開始するように言われます。こういった航空管制は「エアバンドレシーバー」で誰でも聞いてよいとされていますし、国土交通省でも聞き方を案内しています。

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