どれだけ航空技術が進歩しようとも人間のミスは無くならないという事実

歴史上最も多くの犠牲者を出した単独飛行機事故、つまり他の飛行機などとの衝突などではなく、1機のみが起こした事故は、1985年8月12日に発生した日本航空123便の墜落事故です。この事故では乗客乗員含め、520人もの方が亡くなりました。

しかし、その後日本の航空会社での飛行機事故による犠牲者は、ほぼ30年後の2015年1月現在で0人。

これは、日本航空123便の事故を受けて日本の航空会社が各社それぞれ安全対策に務めてきたことが大きいからだとは思いますが、しかし、その後も経営破綻直前の日本航空が度々整備不良問題を起こしたり、日本航空、全日空それぞれが保有していたボーイング787機の電源が発火や煙を出すといったこともあったので、ある意味僥倖であったとも言えると思います。

日本航空の安全推進本部が公表している資料によれば、1959年から2012年にかけての飛行機の総事故率は1/50以下、全損事故率及び死亡事故率は1/30以下になっています。

これは、技術の進歩、訓練による質の向上、人的要因による事故の研究、そして安全管理などといった事故率低減のための対策が絶え間なく行われている成果です。

ICAO(国際民間航空機関)では、加盟国がICAOが定めた基準に沿った国内基準を制定し、安全管理を実施することを求めています。

ボーイング社が調査した1988年から2005年までに発生した民間の航空会社の事故の原因のうち、操縦ミスは55%、機械的な損傷が17%、天候が13%、管制ミスが5%、整備不良が3%で、その他が7%でした。その他を除き、明らかにヒューマンエラーが原因のものは63%にも上ります。

つまり、どれだけ飛行機の製造技術や、操縦のコンピューター化が進んでも、それを運用する人間がミスをしてしまったらどうにもならないということですね。

実際飛行機事故のおよそ80%は離陸から上昇の間と空港への降下から着陸までの間に集中しているといわれています。特に離陸はパイロットが手動で操作しなければならない作業です。着陸は現在ではコンピューターまかせのオートランディングができますが、天候などの条件次第ではパイロットが手動で行わなくてはならないという局面もあります。

過去には制御コンピューターの入力デバイスが使いにくかったために入力ミスが起こり、墜落事故が起きたということもあるので、操縦システム自体に問題があったという場合もあります。現在ではそのような入力ミスが起きにくいデバイスにされてはいますが、それでも100%ミスを無くすということは不可能でしょう。

現在はアジアを中心に航空路線の需要が急増しており、今後その傾向は続くと見られています。それとともに、パイロット需要も増えていくでしょう。というより、今現在でもパイロットは不足していると言われていて、需要は現在進行形で増えています。これは、経験が浅いパイロットが増えることを意味します。

日本人は一度マニュアル化されたものについてはそれを順守することには長けているので、パイロットが増えても安全性は確保されると信じたいところです。しかし、日本の航空会社にばかり乗るわけにもいかないので、パイロットの訓練の厳密化は世界的に求めてほしいものです。

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