搭乗料金を値下げするために旅客機は値下げできる?

旅客機は航空機製造メーカーが販売する商品であり、機体には値段がついているのですが、「飛行機の値段」というと搭乗料金を思いつく方が多いようです。

2014年7月29日、旅客機の販売価格について、注目を集めたニュースがありました。欧州の航空機製造メーカーであるエアバスと、日本のLCC航空会社であるスカイマークとの間で、旅客機購入契約に関するトラブルが起きたのです。

トラブルの原因は、エアバスが「現在のスカイマークに旅客機の代金を支払う能力はない」とみなしたことでした。

スカイマークは予定の機体を購入できないし、エアバスも販売できなかった機体を購入してくれる別の航空会社を探さなければなりません。ですが現在、大型機を購入する余裕のある航空会社は少ないのです。どちらにとっても困難な状況になってしまいました。

旅客機を購入すると、ほとんどの場合、ビルや住宅を購入するより、はるかに高額な買い物をすることになります。高級品だからというより、旅客機が一機できあがるまでに多くの設計段階と長い製造工程があり、建物の設計・建築以上に緻密で大規模な作業となるからです。

旅客機を作る工程は、建物の建築に似ています。多種多様な材料をたくさん集めなければ作れないし、機械任せにできない、職人の手でなければできない作業工程があるので、多くの材料費や人件費が必要です。

建物は常に手入れしなければ、構造が劣化して危険になったり、廃屋になってしまいます。旅客機も常に手入れをして整備に努めなければ、優れた性能を維持できません。

また、陸上に建築する建物と、上空を飛ぶ旅客機とでは、大きく違うポイントがあります。

旅客機は高度1万メートル、気温マイナス数十度という過酷な環境で、何十年も使用をくり返す構造物です。ビルや住宅の構造もさまざまな環境の変化に対応できるべきですが、旅客機と一律に並べて考えることは出来ません。

旅客機の設計と製造が、ビルの建築以上に膨大で大規模なものとなるのはそのためです。それが機体の価格に反映し、聞きなれない人が驚くような金額になるのです。

近年、その「価格」が原因で、これまで主流だった大型旅客機の人気が、中・小型機に移行しつつあるといわれています。

大型機は機体が高額だし、維持するための設備も比例して大規模なものになります。行き届いたメンテナンスや修理をするための費用も、同じく比例して高額となるのです。

それに、一度のフライトで多くの乗客を運べるかわり、それだけ多くの人数を集めないと採算が取れません。どうやって集客するかが大きな課題になります。

充分な人数の乗客を集めることが出来たとしても、LCC登場以来、一人当たりの搭乗料金は値下がりする一方。それでいて原油の高騰で燃料コストは上がっているのですから、航空会社が収益を得にくくなり、新しい機体を購入する費用を作りにくい状況となっています。

最近の航空会社は、中・小型機に目を向けるようになってきました。機体の価格や維持費用が安いからです。大型機に較べて一度に運べる人数は減るのですが、それだけ集客の手間もかからなくなってきます。

ですから乗客側も航空会社に「値下げして」と言いすぎると、いつか、安全性に関わるコストを減らされてしまうかもしれません。というのは考え過ぎでしょうか?

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