旅客機の高度はどうやって計測しているの?

コックピット内のパイロットが、常に監視している計器のひとつが「高度計」です。飛行中の旅客機の高度を示す計器です。ただし、この高度計が示す高度値は、地表あるいは海面から旅客機のいる位置までを正確に測ったものではありません。そもそも「実測」など不可能といえます。では、どうやって計測しているのでしょうか。

一般的に使われているのは、高度が高くなるにしたがい気圧が低くなる原理を利用した「気圧高度計」です。気圧は海面で1気圧(=1013ヘクトパスカル〈ミリバール〉、海面温度が15度Cのとき)ですが、高度が9m上昇するごとに約1ヘクトパスカルずつ下がっていくことが知られています。機体の側面にある「静圧孔」と呼ばれる小さな穴で外気圧を感知し、その情報をもとに高度を計算して計器上に示すしくみです。

つまり、気圧高度計による高度は仮想高度なのです。気圧は大気の状態や海面温度の変化によって変わりやすいため、この高度には誤差が生じやすく、たとえば、高度計では「40000フィート」を表示していても、実際には「39000フィート」上空を飛んでいる可能性もあるわけです。

高度計に誤差が生じたら、他の航空機とのニアミスや衝突の危険があるのではないかと思われるでしょう。しかし、その心配はありません。なぜなら、周りを飛行している旅客機のパイロットも、すべて同じ基準に基づいた気圧高度計を見ているからです。基本的に、高高度(2万9000フィート=約8800m以上)を飛行しているすべての旅客機は、気圧高度計の基準を「1気圧」に設定しておくことになっています。こうしておけば、どの旅客機も誤差の生じ方が同じになります。

実際の高度にかかわらず、高度計の表示による「40000フィート」を飛行している旅客機は、周囲には1機しかいないはずです。

もし、実際には3万9000フィートを飛んでいたとしても、高度計の表示による「39000フィート」を飛行している別の旅客機とぶつかることはありません。その旅客機は実際には3万9000フィートよりも低い高度を維持しているからです。ちなみに、航空機の安全な飛行間隔は定められており、高高度では水平方向に5マイル(約9.26km)垂直方向に2000フィート(約610m)開けることになっています。

また、気圧高度計とは異なり、機体から発射した電波が地表にあたって返ってくるまでの時間を測定する「電波高度計」もあります。これは低空(2500フィート=約760m以下)できわめて正確な数値を示すため「絶対高度計」とも呼ばれ、離着陸の際に使用します。

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