夜の飛行でも旅客機が迷子にならない技術とは?

真っ暗な闇のなかを飛ぶ夜間飛行。客室の窓から見えるのは星だけ。地上も見えず、目印になりそうなものも見つからない暗闇で、「本当に正規ルートを飛んでいるのだろうか」と不安に思った記憶はないでしょうか。でも、大丈夫。旅客機は闇のなかでも自分の位置や目的地を正確に把握しているのです。

自分の位置を知るための最も原始的な方法は、地図上の2力所の地上無線局を選び、その地点までの方位や距離を測ることで、現在位置を導き出すというものです。フライト当日、飛行ルートが決定すると、パイロットはルート上にある地上無線局を確認します。そして、飛行中は各無線局を目標にしながら、目的地を目指すのです。ただし、地上無線局は陸上に存在するもので、海上にはありません。たとえば、東京からアメリカ西海岸に向けた洋上飛行では、どうすればよいのでしょうか。

そこで、現在、多くの旅客機が採用しているのが、旅客機の加速度を検知して、速度や移動した距離を計算する「慣性航法装置」(INS)と、航空路図の情報をデータべース化して飛行ルートを入力すると、現在位置、予想到着時刻、最も効率(燃費)のよい速度など、フライトに必要なあらゆる情報を出してくれる「フライト・マネジメント・システム」(FMS)です。

飛行中の旅客機は、フライト・マネジメント・システムから引き出されるデータに基づいて誘導されるため、正規ルートを大幅に逸脱したりすることはありません。また、これらの情報は電子飛行計器システムを通して地図上に示され、自機の位置も容易に把握できるようになっています。これとともに、旅客機の移動に合わせて、地上の無線局からくる電波をキャッチできるよう、自動的に周波数を切り換えるしくみもあります。コンピュータと従来の無線局情報を照合させながら、より正確な位置確認を行なっているのです。

このほか、より精度の高いシステムとして、近年主流となりつつある、「全地球航法装置」(GPS)は、アメリカが打ち上げた航法用衛星を利用し、旅客機の正確な位置と時間を計算するものです。

「カーナビ」でお馴染みの装置です。GPS衛星は高度約2万kmの6つの軌道上に各4個、合計24個飛んでいますが、それぞれの衛星から発せられる電波を受信し、衛星からの距離や位置関係などから、自機の位置を計算する方法です。最近では、客室のスクリーンに旅客機の現在位置を示した地図を映し出すサービスも行なわれています。

これを「エアロ・ナビ」といいますが、まさしく、旅客機仕様の「カーナビ」といった趣です。

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