飛ぶ方向がわかれば位置がわかる!慣性航法装置

自動車に乗っている時にアクセルを踏んで加速すると、座席に体が押し付けられる力を感じたり、ブレーキを踏んで減速すると、前につんのめる力を感じることがあります。この力を慣性力と呼び、飛行機でもまったく同じで、加速や減速をすれば慣性力が作用します。

この力は質量と加速度の積で表されるので、力の大きさから加速度が算出できます。そして、加速度がわかれば加速度と時間の積で速度がわかり、速度がわかれば速度と時間の積で距離が算出できます。このため、加速度から速度と距離が算出できるので、飛ぶ方向さえわかっていれば自分の位置を割り出すことが可能なのです。

ただし、飛行機の姿勢が変化した場合でも加速度と勘違いしてしまうので、飛行機の姿勢に関係なく加速度計を水平に保つ必要があります。

そこで、宇宙の一点を指し続けるという性質を利用したジャイロの回転軸を用いて、機首がどの方位を向いているのかを割り出すだけでなく、加速度計を水平に保つ役割も果たしています。

これにより、最初にいた自分の位置さえはっきりさせておけば、移動した方向と距離から現在の位置を推測することができるのです。

このように、慣性という性質を利用したジャイロと加速度計の組み合わせにより、自分の位置や方位を推測する装置を慣性航法装置と呼びます。

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