機体の上昇を示す計器のポイントやその他の計器の見方

◆機体の上昇を示す計器のポイントは、速度・姿勢・高度・上昇率

一般的に飛行機を思い描いた場合、その機体にはランディングギア(降着装置の脚)やフラップ(可動翼片)などはなく、均整のとれた流線型の姿かたちをイメージする方も多いはず。

この状態を飛行機業界では「クリーンな状態」といい、このクリーンな状態で飛行機が空高く巡航高度を目指して上昇することを、「エンルートクライム」と呼んでいます。

上昇中のパイロットは、フライトの状況や計器類をいつも監視していますが、このことを「モニター」と呼んでいます。モニターで重要な計器としては、速度や姿勢、高度などをまとめて表示するPFD(プライマリー・フライト・ディスプレイ)があり、たとえオートパイロットを作動させていたとしても、つねにフライト状況をモニターしています。

通常の飛行機では、指示対気速度(IAS)を一定にして上昇していきますが、このIASとは対気速度計が指示する速度のことで、空気の力である動圧を速度へ換算することにより測定されます。

飛行機の傾きを知るための姿勢指示器には水平線と空、大地があり、そこに固定されている飛行機のシンボルと見比べることによって機体の上下左右の傾きを知ることができます。

気圧を高度に換算した高度計は気圧高度計と呼ばれ、昇降計は毎分あたり変化した速度である垂直方向の速度を示します。この垂直方向の上昇速度は自動車くらいで、飛行速度と比べるとかなり遅めです。人や自動車同様、飛行機も急な坂道を上がるのは大変な仕事なのです。

◆対気速度計の指示する指示対気速度と真対気速度とは?

飛行機は通常、対気速度計によって指示される指示対気速度(IAS)を一定にして上昇しますが、高度が高くなるにしたがって実際の飛行速度は加速していきます。それは一体なぜでしょうか?

空気の力である動圧は、空気密度とピトー管と呼ばれる細長い管に入る空気の速度(飛行速度)の2乗に比例するのですが、この動圧を測定し速度に換算するのが速度計です。

この速度計は地上の空気密度を基準にしているため、地上で速度計が示す速さは通常の地上と同じ速さで進むことを意味しています。また、実際の飛行速度を真対気速度(TAS)と呼びますが、地上においては指示対気速度(IAS)と真対気速度(TAS)は同じになります。

次に、空中で操縦席のフロントガラスの風を切る風切り音は、空気が飛行機にぶるかる力によって変わるため、速度によって大きくなったり小さくなったりします。

飛行機が一定の指示対気速度を保って上昇するということは、どの高度でも同じ風切り音を維持することになります。けれども、高度が上がると空気の密度が薄くなるため動圧が下がり風切り音も小さくなってしまいます。そこで、風切り音を一定に保つ(指示対気速度を維持する)ためには飛行速度を上げる(真対気速度を加速する)必要があるのです。

◆フライトにおける速度を保つ速度計の重要な役割

フライトに必要な速度を保つ計器には、フライトに重要な空気との力関係を知るための指示対気速度(IAS)、マッハ数および上昇下降の度合いを知るための垂直速度(VS)所要時間算出など航法に必要な真対地速度(GS)、そして主に飛行性能などを考える際に必要な真対気速度(TAS)があり、それぞれに重要な役割を持っています。

PFD(プライマリー・フライト・ディスプレイ)に表示される指示対気速度計とマッハ計は、フライトを維持するために必要であるピトー管で測定した空気の力をエア・データ・コンピュータでデジタル処理して表示します。

また、飛行機が上昇または下降する時や離着陸時に重要な役割を果たす昇降計は、航空業界では一般的に垂直速度(VS:バーティカルスピード)計と呼びますが、外気圧の変化を感知し慣性航法装置の加速度計が検出した垂直方向の速度を指示する計器。

ND(ナビゲーション・ディスプレイ)に表示される対地速度(GS:グランドスピード)計は、自動車と同じく地面との相対速度を指示し、慣性航法装置の加速度計が検出した速度ですが、所要時間の算出などに使われます。

なお、地上走行する際に対気速度計では30ノット以下は表示されないため、速度計としてこのGS計を参考にしています。さらにマッハ数から計算された速度を示す真対気速度計は、フライトでは補助的な役割を果たす速度計であり、飛行機に関する一般的な数式に使用されている速度計です。

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