日本一「便利」な空港、福岡空港の光と影とは
福岡空港を利用する多くの人が感じるのが、その交通の便の良さでしょう。空港は市街地から離れた場所に建設されることが多いのですが、福岡空港は市街地の中に位置しています。
福岡空港から博多駅までは地下鉄で最短5分。繁華街の天神までは11分で到着できます。そもそも、日本国内で地下鉄が乗り入れているのは、福岡空港だけなのです。
しかも福岡空港からは佐賀・長崎・熊本・大分など九州各県に向かう高速バスに直接乗車することができます。そのため、福岡だけではなく九州全体の玄関口としてもとても便利なのです。
しかしその反面、市街地の空港ならではの課題もあります。
まずは何といっても騒音問題です。飛行機が空港を飛び立ち、まだ高度があがらないうちに市街地上空を飛ぶので、騒音がどうしても大きくなってしまいます。着陸時もしかりです。
また、福岡空港には滑走路が1本しかありません。1本しかないということは、事故などで滑走路が使えなくなった時には、空港が機能しなくなることを意味します。
福岡空港の滑走路1本あたりの年間離着陸回数は、なんと日本一。混雑時には2分半に1回の離着陸が行われる超混雑滑走路なのですが、周囲が市街地に囲まれているため、新たな滑走路を建設することは非常に難しいのです。
そして福岡市中心部には、航空法の規定で超高層ビルを建てることができません。空港から24km以内は高さ制限が定められているのです。
福岡空港は、市街地に空港があることのメリットとデメリットを体現している空港だといえるのかもしれません。