「成功する旅客機」「失敗する旅客機」には、物理法則がある!?

デューク大学の教授が、公益社団法人応用物理学会の学術雑誌「JJAP(Japanese Journal of Applied Physics)」に、新しい研究の成果を発表しました。

旅客機に関する新しい物理法則が発見されたのです。

1930年代のDC-3から最新のB787まで、商用旅客機は「より多くの人や物を運べること」を目標に発展してきたものですが、その中には「ビジネスとして成功した旅客機」「失敗してしまった旅客機」があります。

成功した旅客機と失敗した旅客機には、それぞれ物理法則があり、それを数値で解明できるとのことです。

教授の研究グループは、「商用旅客機のデータベース」を作成しました。

このデータベースの基となったものは、導入された年月、機体のサイズ、巡航速度、エンジンの重量、燃料の重量、航続距離、翌幅、機体の長さなど、数千の基本情報です。この統計の結果から、商業的に成功した旅客機には、2つの特徴的な比率があることが判りました。

1つは、サイズの大型化についての比率です。

商用旅客機の歴史はほぼ1世紀あるのですが、「サイズの大型化」で一貫しています。これは歴史の全期間、共通したものです。旅客機は新しいトレンドが形成されると、そのトレンドに従った機体の大量生産に入ります。そのトレンドが安定したころ次の新しいトレンドが形成され、その時には以前のトレンドより大型化した機体が導入されます。

もう1つの特徴は、大きさと速度に関する比率です。

旅客機の機体の大きさと速度には、相関関係があります。哺乳類は体が大きいほど移動速度も早いのですが、旅客機の進化の歴史もそれとまったく同じでした。歴史的に、旅客機のエンジンの出力は機体と主翼のサイズに応じて大型化する一方ですが、それに比例して速度も速くなっています。

しかし、旅客機の歴史の中に、この基本法則から大きく外れた航空機があります。それは、超音波旅客機のコンコルドでした。コンコルドは、運動比率が低いうえ、他の旅客機に比べると運搬できる乗客数が限定されています。そのため、2つの比率から逸脱した「失敗する数値」を抱えた旅客機だったのです。

実際、ここ数十年に開発された旅客機には、「成功する数値」が備わっているとのことです。この新しい研究成果は、航空機メーカーが「成功する旅客機」を開発する上での指針となることでしょう。

生物の歴史は人間の歴史より長いので、「生物の歴史」の研究は困難です。しかし、旅客機の歴史は、当然ながら人間の歴史よりずっと短いですから、「旅客機の歴史」の研究は、比較的容易です。そういった違いはありますが、一定の法則がみられるという点において、「生物の歴史」も「旅客機の歴史」も同じだと判明したのです。

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