旅客機の上では酔いが回るのが地上の数倍早い!?

ホノルル行きのデルタ航空機で起きた事件です。

日本からハワイに向かう旅客機の機内で、ある乗客が、通りかかった男性客室乗務員(CA)に声をかけました。声をかけたのは30代の男性の乗客、かなり酔っています。新婚旅行のため、ハワイに向かうところでした。

搭乗前にビールを4杯、ワインを1杯飲んだそうで、旅客機内でもずっと、ワインとシャンパンを飲み続けていたそうです。旅客機内は気圧の関係で、地上の何倍も早く、酔いが回ってしまいます。これだけ飲むと、なかなかたいへんなことになります。

乗客はCAに、食べ終えた機内食のトレイを下げろと言いました。

ですがちょうど、CAは両手にトレイを持っていて、手がふさがっています。応じたくとも、どうにもなりません。CAが何もしてくれないので、というより何もできないので、乗客は怒り出しました。

その様子を見た別の男性CAが、その場を手伝おうと近づいたところ、乗客はなんと、手伝いに来た方のCAに対して、大振りのフックをくりだしました。

よほど身の軽いCAだったのでしょう、とっさに腕を前に出して防御し、直接殴られたりはしませんでした。居合わせた周囲の乗客も、この騒動に気づいて、騒ぎ始めました。それで少しは頭が冷えたのか、乗客は急に泣き出し、「ごめんなさい」と機内で土下座しましたが、放っておくわけにもいきません。乗客はすぐに、CAらに拘束されました。

そのころになって急に酔いが回ってきたのか、その後はおとなしく騒がなくなり、眠ってしまったそうです。

この事件はもちろん、裁判となりました。裁判所は最初、5万ドルの保証金で保釈を認める方針でした。ところが検察側が「乗客は日本で警察官に暴行したことがある」と指摘したり、「こんなに危険な人物を保釈してはいけない」と主張したり。

裁判所は検察側の主張を受け入れ、保釈の話はなくなりました。

乗客はハワイに拘留されたまま、判決を待つことに・・・。最高で20年の懲役刑を受ける可能性があるそうです。酔った勢いとは言え、大変な代償を払うことになるかもしれません。

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