太陽光発電が普及する中、太陽光飛行機の世界一周計画が進行中

2011年の東日本大震災に伴う原発事故以降、日本国内では再生可能エネルギーによる発電の需要が急激に増えています。

風力発電や波力発電、地熱発電やはては人が歩いた時に発生する圧力を利用するものまで、様々な発電法が開発されており、その一部は既に実用化されています。その中でも、一番身近とものと言えばやはり太陽光発電でしょう。

太陽光発電は、家屋の屋根に乗せて家庭規模での発電をするものから、大規模な「太陽光発電所」であるメガソーラーまで広い範囲での普及が進んでいます。

こうした太陽光発電の普及の流れは、一部先進国でも同様です。また、太陽光発電は家庭での需要のみならず、乗り物の動力源としても期待されており、太陽光パネルを取り付けた「ソーラーカー」のレースなども行われています。

アメリカの自動車会社フォード・モーターは、車体の屋根の上にソーラーパネルを取り付けたコンセプトカーを発表しました。これはハイブリット車ですが75%までは太陽発電により走行できるというものです。

また、スイスでは、太陽光発電で飛ぶ有人の「ソーラープレーン」で世界一周を目指す「ソーラー・インパルス」プロジェクトが進行中。ソーラー・インパルスの1号機は2012年にはすでにジブラルタル海峡横断を成功しており、最終目的である世界一周を担った2号機は2014年にテスト飛行を成功させています。

このソーラー・インパルスの2号機の設計に用いられたのがフランスのIT企業「ダッソー・システムズ」が提供している「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」です。ダッソー・システムズはソーラー・インパルスに会社ぐるみで参画しています。

「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」は3D CAD、つまり三次元設計ソフトである「CATIA」、三次元モデルを設計する「SOLIDWORKS」など、3Dデザインに必要なソフトウェアを包括したものです。「MS-Word」や「Excel」といった事務用ソフトウェアを包括した「Microsoft Office」の3Dデザイン版といえばわかりやすいかもしれません。

「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」は建築業や航空機製造、産業機械など、それぞれの業種に最適化した形で提供されています。これがソーラー・インパルスの設計に採用されたのは、高い品質のソーラープレーンを作るための問題解決システムが必要であり、「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」には産業設計分野での実績があったからだといいます。

実際、これまで誰も成し遂げたことがないソーラープレーンでの世界一周をするためには、これまでの飛行機とは異なる課題や問題が山積していました。太陽光のみで飛ぶための機体の形、重さ、そして翼の形状、軽さと丈夫さという矛盾した要求を満たす新しい素材など。

また、世界一周をするためには、操縦席も操縦性の高さのみならず、安全性や快適さまでも考えて設計しなければなりませんでした。そのためには、「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」のようなハイエンドな統合環境が必要だったのです。

ダッソー・システムズはソーラー・インパルスに参画することについて、顧客ニーズに応じるという以上に、クリーンな代替エネルギーを極限でも安全に活用して、世界を変えていこうというメッセージがあるからだとしています。

ソーラー・インパルス社のCEOであり、またソーラー・インパルスのパイロットでもあるアンドレ・ボルシュベルグ氏は、これまで人類が成し遂げたことがなかった有人飛行や宇宙飛行など、限界を超えてきた先駆者たちの精神を「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」を通じて受け継いでいくと語っています。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る