ピーチアビエーションがノリノリでA320を購入した理由と一抹の不安とは

民用、軍用を問わず、飛行機の値段というのはとても高いものです。例えばボーイングの最新鋭機B787は、一番安いタイプで約2億700万ドル、エアバスのA380となると4億3,000万ドル。円安が続く2015年7月時点のレートで端数を切って1ドル=120円で計算すると、B787は約250億円、A380は516億円にもなります。そりゃあ破綻寸前だったスカイマークの支払い能力に疑問を持たれるのは当然です。

ということで、JALやANAなど一般の航空会社は、全ての機材を自社保有だけではなく、一部を航空機リース会社から借りて使用しています。これがLCCとなると、ほとんどがリース機材。日本のLCC各社も、使用機材は100%リースでした。

ところがなんと、ピーチ・アビエーションの井上慎一CEOは、2015年6月に行われたパリ航空ショーに赴き、エアバスの人気中型機・A320を自社購入する契約を、エアバスと交わしてきました。A320の価格は9,700万ドル、上記と同様1ドル120円で計算すると、約116億円です。ピーチ・アビエーションはこれを3機購入しました。こういうものに割引があるかどうか知りませんが、定価通りなら348億円、いったいどこからそんな予算が出たのでしょうか?

ピーチ・アビエーションは14機体制の現在から、2015年内にリース機材を3機増やし、それに今回購入した3機を加え、2017年までに20機体制となります。バニラエアが8機、春秋航空日本が3機で回しているのを考えると、LCCの中では大所帯だと言えるでしょう。

2014年にはパイロット不足による減便などでネガティブな報道が多かったピーチ・アビエーションですが、2015年になってからは羽田乗り入れを発表し、国内LCCとしては初めての羽田発国際便として、羽田-台湾・桃園便を就航させる他、第2ハブの那覇空港を拠点に、現在すでに運行している香港便・桃園便に加え、ソウル便を就航、将来的にはタイやベトナムなど東南アジア方面への路線も増やす予定を立てるなど、積極的に国際便拡大路線を推進して意気軒昂です。今回のA320自社購入も、こうしたイケイケの空気に乗ったものかもしれません。

ただ、一つだけ心配なのは、こうした性急な拡大路線はスカイマークと重なる部分を感じざるを得ないということ。

もちろん、ピーチ・アビエーションはスカイマークとは違い筆頭株主のANAという強いバックがいるので、スカイマークほど経営基盤は弱いわけではないし、LCCとしてはまだシェアが小さい日本発の国際線を拡大していくという路線も間違ってはいないのでしょうけれど、わずか2年のうちに運用機材を6機増やし、またパイロット不足に陥ったりしないものかという懸念が生じるのも確かです。

スカイマークと同じ轍を踏まないためにも、拡大路線はほどほどにしたほうがいいのではないかと思うのですが・・・。

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