ボーイング787に採用された新素材とは?

ボーイングが鳴り物入りで発表した最新鋭機、787。200~300人乗りの中型機ですが、実は、最新鋭のテクノロジーが凝縮された機体。

最も注目を集めているのは、ボディや主翼に「炭素繊維複合材」という新しい素材が使われていること。炭素繊維とは、セーターや毛布などによく使われているアクリル繊維を約1000度という特殊な条件で焼いて作った糸です。

炭素繊維複合材は、この直径5ミクロンの炭素繊維の糸を束ね、樹脂と共に重ねたものを焼き固めて作るもので、強度は鉄の9倍。軽くて強いので、ゴルフクラブや釣竿などにも使われます。

旅客機の外板にはこれまで、アルミ合金が使われてきたのですが、787はこの素材を採用したことにより、大幅な軽量化を実現しました。この軽量化の恩恵により、燃費は20%も向上しました。

2007年7月に、シアトルで1号機の完成式が開催されたのですが、この時点ですでに700機近い注文が入っていました。

まだ1号機が完成したばかりで、これほど注目されるのは珍しいそうですが、なにしろ新素材ですし、導入に慎重な意見も多かったそうです。

ある整備エンジニアも、この素材の強度を不安に思い、材料のサンプルを叩いて壊して、入ったヒビを検証してみようと思いつきました。

サンプルをハンマーで叩き続けましたが、鉄の9倍の強度です。いくら叩いても、手が痛くなるばかりで全く壊れない。叩いて壊すどころかヒビも入らなかったそうで、整備エンジニアはその強度に納得。不安は解消しました。

ところで、旅客機が一番嫌うのが水分。たとえ目に見えない部分でも、少しでも水滴や結露があると、そこから機体が傷んでしまいます。

そのため、機内の空気は水分除去装置を通してから送り込まれています。そのため、機内は常にカラカラに乾いた状態で、加湿ができません。これがつらいという人も多いようです。

その点、耐腐食性にすぐれた炭素繊維複合材の機体なら、室内の湿度を自由自在にコントロールできます。これによって、機内環境は飛躍的に向上することとなりました。

乗員も乗客も、これからはあえて787を希望するという人が多くなるかもしれません。

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