中東のスーパーコネクターの勢いが止まらない

航空業界の「スーパーコネクター」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

近年存在感が高まっている中東を中心としたエミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空、ターキッシュ・エアラインズの4社が「スーパーコネクター」と呼ばれています。

エミレーツ航空はアラブ首長国連邦のドバイ国際空港、カタール航空はカタールのドーハ国際空港 、エティハド航空はアラブ首長国連邦のアブダビ国際空港、ターキッシュ・エアラインズはトルコのアタチュルク空港をベースとしています。

「スーパーコネクター」4社の大きな強みのひとつとしては、世界をつなぎやすいその地理にあります。

中東をはじめとするペルシャ湾岸の地域は、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカすべての大陸から、長距離ジェット機の航続距離内に位置しているのです。

ドバイ国際空港は、2014年にロンドンのヒースロー空港を抜き、国際線の旅客数で世界第1位となっています。

そしてスーパーコネクターの4社のハブ空港の乗降客数は、2008年の5,000万人から2014年には1億1,500万人にまで増加。エミレーツ航空とカタール航空が就航するヨーロッパの都市は32都市にまで増加し、さらに各社とも路線や便数を急速に増やしています。

エミレーツ航空は2015年9月にドバイ-オーランド線を開設、カタール航空は2015年4月にヨーロッパと中東の10都市とドーハを結ぶ路線で増便を敢行。

また、エティハド航空は2015年8月からメルボルン-アブダビ路線を増便、ターキッシュ・エアラインズは2015年4月にイスタンブール-サンフランシスコ線を開設。

さらに、スーパーコネクターは経済効率の高い最新のジェット機の導入や機内サービスの拡充にも積極的です。この取り組みは乗客にも評価されており、英国の調査会社スカイトラックスが発表した「エアライン・オブ・ザ・イヤー2014」でも、スーパーコネクターの4社とも全てベスト10にランクインしています。

この「スーパーコネクター」の台頭によって苦戦を強いられているのがヨーロッパの航空会社。

ルフトハンザ航空によると、ヨーロッパとアジアを結ぶ便においてフランクフルトのハブ空港が占めるシェアは2005年以降3分の1近く減少しています。

一方で、「スーパーコネクター」に政府資金が投入されていることに、アメリカの航空会社は「不公平な競争」と反発していますが、「スーパーコネクター」の勢いは今後ますます強くなっていきそうです。

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