これだけある!羽田国際化のメリット!

日本に就航している航空会社は、60社を超えています。長年、日本に就航したいと希望する海外の航空会社は多かったのですが、空港の大きさや滑走路の数などで、発着枠が限られていたためです。

しかし、2010年10月に、羽田の国際線ターミナルが開業してから、空港の発着枠が大幅に増えました。今回は、その「増加する発着枠」について、詳しく説明します。

2010年以前は、羽田空港は国内線専用だと思われていた時代もありますが、それまでも、ソウル線や上海線、香港線などの国際線が、「チャーター便」方式で運行されていました。成田空港に行くよりも都内からのアクセスが断然良い羽田空港を使って、芸能人などが、ソウルに日帰り旅行する様子がテレビで紹介されていたこともあります。

この「都内からのアクセスが良い」というメリットを十分に生かせば、海外旅行なら、現地で有効に使える時間が増えるのです。東南アジア方面に多い夜行便での出発を例に説明しましょう。

金曜夜に仕事を終え、羽田から香港への夜行便に搭乗。そうすれば朝から香港を満喫できます。土日を過ごして日曜夜の夜行便に乗れば、月曜の朝の仕事に間に合うので、休みをとらずに旅行することも可能です。

どうでしょうか。海外への旅がぐんと身近になったと感じられますよね。実際、羽田の国際線ターミナルのオープンに合わせて滑走路を新設した結果、空港全体の発着枠が27万回から41万回に増えました。その一部は国際線の発着枠として確保され、アジアを中心に、羽田空港から行ける海外の都市が大幅に増えました。それまでの、「国内は羽田、海外は成田」という“住み分け”がなくなったためです。

一方の成田空港でも、羽田空港との相乗効果を狙って、空港の発着枠の拡大に取り組んで来ました。2009年のB滑走路の供用開始以来、発着枠を20万回から22万回に増やしています。これに伴い、成田に乗り入れを希望するエアラインは2ケタに達しました。しかし、このように発着枠を増やしても、世界的に見ると、日本の空港の発着枠は十分とはいえません。

イギリスやドイツ、フランスの主要国際空港の発着枠は、どこも50万回という規模があるからです。その中で、日本の代表的な2つの空港、成田と羽田をどう強化するかが、最重要課題だと言えます。

今後、「アジアのハブ空港」争いが本格化する中で、両空港間の高速鉄道敷設構想が実現の第一歩となりそうです。

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