広告費も削るLCCのPR方法とは?

2012年は日本のLCC元年と言われていますが、数年間が経過した今、LCCに対する印象や評価はどうでしょうか。

調査元は異なりますが、LCC就航前の2011年(JTBによる調査)就航した2012年(フォートラベル)、そして就航から1年経った2013年の調査(フォートラベル)を元に、各項目の回答結果の推移を見てみたいと思います。

以下はその結果を列挙したもので、右から順に、2010年・2012年・2013年の調査結果となっています。

・LCCがどのようなものか知っている:49%・62%・(記載なし)
・LCCを利用したことがある:5%・15%・19.4%
・LCCを今後利用したい:42%・71・2%・(記載なし)

ここで、LCCを知っているかについて、調査時にLCCが何なのか分からないという声もあったようなのですが、2013年度の調査時にはそのような声がなかったそうです。このことから、1年の間でLCCの認知度は格段に上がっていることがわかります。

またLCCの利用に関しても、認知度の上昇や就航地の増加もあって、着実に利用者は伸びているようです。

しかし、逆を考えると利用したことのない人のほうが圧倒的に多く、その理由として、「安全性に不安があるから」が最も多く、続いて「機内で快適に過ごせないから」「価格が安すぎて不安だから」となっています。

この、利用したことがない理由は2012年度も同様だったようです。

この調査では、利用した際の満足もアンケートをとっており、どのLCCに対しても、8割を超える利用者が「期待通り」もしくは「期待以上」と回答しており、「期待未満」という回答は、3社とも前回調査結果を下回っています。

このようにLCCは短期間で非常に周知してきました。低コストがコンセプトのLCCはもちろん、広告費もほぼ0円です。では大々的な宣伝もなく、一体どのようにして認知度を高めることに成功したのでしょうか。

皆さんはLCCの格安チケットが大手の3~7割、といったような広告を見たことはないでしょうか。このような驚くような運賃の低さが、色々なメディア媒体で取り上げられ、キャンペーンになるとさらに安くなります。そう考えると、LCCはバーゲンやセールを頻繁に実施することで話題を作り、広告費を削ることができるのです。

ただ、「格安チケット」という点において、気をつけなければならないこともあります。それは大手の3割~7割と非常に大きな幅があることです。

大手の航空チケットでもそうですが、全ての席で割引運賃が適用されるわけではありません。また、LCCの多くは「空席連動型」運賃というものを採用しています。これは、予約の多い日は運賃が高くなり、予約の少ない日は運賃が安くなるというものです。

たとえばピーチの宣伝を見ていると、大阪~福岡は3780円が最低運賃ですが、いつもこの値段で売っているわけではありません。

3780円はあくまでも「最低」の場合であって、いざ買おうと思ってサイトを見てみると、7000円くらいすることも珍しくありません。

これは運賃が空席数に連動して変化しているため、分刻みで変動しているためです。安いと思ったらすぐに買わなければ、表示運賃で予約できるとは限りません。予約手続きを進めていくうちに、最終段階で「この運賃は予約できません」となることもあります。

それを避けるには、買うと決めたら、決済までなるべく早く済ませることです。

空席連動型運賃の仕組みは会社によって違いますが、多くの場合2ヶ月前までは、その便の最低運賃を提示している場合が多いようです。とはいえ、2ヶ月前でも週末の午前便などは、もともと運賃が高めに設定されているため、平日の最低運賃よりは高くなっています。

そして2ヶ月前を過ぎると、運賃に変動が出やすくなります。

たとえば、ジェットスターの場合は、2ヶ月前を切ると運賃は人気のある便から高くなり始めます。運賃が大きく動き出すのは1ヶ月前頃で、予約の少ない便はこのあたりから値下げが始まります。しかし、2週間前くらいになると下がらなくなくなり、再び値上げされていきます。

それに対し、エアアジアは値下げはあまり行わず、出発日が近づくにつれて、ほぼ右肩上がりに値上がりしていきます。

そして、ピーチでは値上げと値下げが頻繁に行われます。ピーチは新規参入のために試行錯誤しているのか、運賃の変動が激しいようにみえます。

他にもスカイマークやエアドゥ、スターフライヤーなどは空席連動型運賃ではありません。出発日が近づくにつれ安いチケットが減っていく仕組みです。また、これらの会社は2ヶ月前が販売開始で、それ以前のチケットは販売していません。

既存の航空会社でも販売開始は2ヶ月前で、1ヶ月前までなら、割引チケットを購入できます。

LCCを上手く利用するには、キャンペーンを活用することです。前述のように、話題性を出すためにLCCはよくキャンペーンを行います。それは航空会社によって半額であったり、無料航空券セールであることもあります。

「無料」というとおかしな話に聞こえますが、実際には往復無料で予約するのが難しかったりして、片道は料金を払うことになることが多いようです。いずれにしろ、こうしたキャンペーンは積極的に活用すべきですね。

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