ジャンボ機の車輪が傾いて取り付けられている理由

空港で駐機されているジャンボ機を見たことのある人なら、車輪が機体に垂直ではなく、斜めに傾いて取りつけられていることに気付いた方もいるかもしれません。

なぜ、そうなっているのか、疑問に思った人も多いと思います。その答えは、着陸時に前と後ろの脚にどれくらいの重量がかかるかを知れば、すぐにわかります。

着陸時、機体の重量の90%は主脚にかかり、機体が前進するエネルギーのほとんどを主脚が吸収します。

残りの重量は前脚にかかり、残りのエネルギーを前脚が吸収。ですからジャンボ機の主脚は4本もあり、夕イヤは合わせて16本もついているのです。

ただ、それだけでは不十分なため、設計上の工夫がしてあり、それが車輪の脚のつけかた。車輪が垂直になっていると、機首を上げた姿勢で着地するときの機体の前進のエネルギーを吸収しきれず、機体がつんのめって機首が下がってしまいます。

ブレーキをかけても、定められた着陸距離をオーバーランする危険があるのです。

前脚は1本だけで車輪が2本、地上滑走中の方向を決める役割を受け持っているのですが、主脚とともに機体の安定を保つような角度に傾けて取りつけられています。

つまり、着地したとき前脚は主脚とともに機体が安定した姿勢で滑走し停止するのを助け、それでも主脚にかかる負担が大きいことから「緩衝支柱」という部品が主脚についています。この支柱の長さは、機首上げ姿勢をとったときの尾翼と地面との間隔、主翼の下に装着されているエンジン・ナセルと地面の間隔、そして空港施設との関係などを計算して決められています。

主脚にかかる衝撃を和らげるのは「オレオ式」と呼ばれている装置。

衝撃を受けると上部の高圧の空気が圧縮されて「空気バネ」のような働きをすると同時に、作動油がオリフィス(小穴)から空気のあるところに流れ、衝撃のエネルギーは流体摩擦による熱エネルギーに変えられて吸収されます。

「空気バネ」の反発が強いと逆に機体を浮かして、機体を傷めたり事故になる危険があるのですが、これは作動油の流れる速度を遅くすることで防いでいます。

また、離陸する前など機体が地上を走るときの衝撃は作動油を使わなくても「空気バネ」で十分に吸収されています。

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