LCCのシートってどのくらい狭いの?

LCCが主要機として使用しているのはエアバスA320、あるいはボーイング737で、それ以外の機種を使用しているところはそう多くはありません。この2つの機種は、大手の既存航空会社も短距離路線で使用しています。

ではなぜ、LCCのイメージとして「シートが狭い」ということがよく挙げられるのでしょうか。大手も同じ機種を使用しているのであれば、どの航空会社でもシートが狭いと感じるのではないでしょうか。

実は、機種は同じでも、機内をどうレイアウトするのかは、発注する航空会社によって異なります。そのため、航空機関連のサイトをみても、一つの機体に対して150~180席、といったように表示されています。

そのため、座席数を少なく設置すれば各シートピッチは広くなり、一人ひとりゆったりとしたスペースを提供することが出来ますが、逆に座席数が多くなれば、狭くなり、窮屈になります。

既存の航空会社はもちろん、座席数を少なく設置し、LCCは座席数をできるだけ多く設置します。それは、一回のフライトで乗客が多ければ多いほど、利益が上がるためです。

このため、たとえ同じ機体でも、既存の航空会社とLCCとではシートピッチに違いが出るのです。

では、実際の乗り心地はどうなのでしょうか。

一般的に、LCCの座席は狭く、シートピッチや座席幅が、大手よりもだいたい3~5センチくらい狭くなっています。足の長い人や、からだの大きな人には少々窮屈に感じるかもしれませんが、小柄な女性からはあまり気にならない、との声も多いようです。

また、LCCは4時間以内でいける範囲、というものもコンセプトの一つとしており、この距離であれば狭さも気にならなかったり、それほど負担に感じない人も多いようです。

ただ、座席の広さは各航空会社や機材によってかなり異なります。LCCなのに、座席の広さをウリにしているところもあります。

たとえば、アメリカのジェットブルー航空の座席ピッチは86.4cmと、平均80cmの既存の大手航空会社よりも広めです。

また、大手の航空会社と同じ水準で座席を設置している格安航空会社も少なくありません。スカイマークやエア・ドゥなどの新興航空会社は、大手航空会社とほぼ同じシートピッチです。ジェットスターについて言えば、国内線のシートピッチは狭いですが、国際線は大手航空会社とほとんど変わらず、JALとも共同運行しています。

このように、格安航空会社だからといって必ずしも全ての座席が狭いというわけではありません。

たしかに、海外のLCCをみてみれば、詰め込み型の機体を運航している航空会社もありますが、国内のLCCであるスカイマークやエア・ドゥなどは大手とほとんど変わりありませんし、スターフライヤーなど、大手航空会社よりもシートが豪華な場合もあります。

国内に限っていえば、ピーチやジェットスター・ジャパンなどは、大手航空会社に比べてやや詰め込んでいます。とはいっても、たとえ詰め込み型でも、「苦痛で仕方がなかった」という感想はほとんどないようです。

それは、飛行機の座席は欧米人でも乗れるようになっており、日本人は欧米人に比べ、体型がそれほど大きくないため、ゆとりがあるのです。

また、航空会社によっては大手と同じようにビジネスクラスを設けているところもあったり、ピーチを例にとると、少し割高にはなりますが、ストレッチシートを選択することが可能です。

LCCに乗る時には、ちょっとその前に機内の状態を把握しておくと搭乗した時のショックも少なくなるのではないのでしょうか。

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