「なんとかなるよ」と部品が誘惑してくる!?

ジャンボ機ボーイング747は、約600万個の部品からできています。

整備に使われる部品は、大きいものではエンジンから、小さいものではボルトやピンまでさまざまです。

機体整備では、故障した部品を良品にとり替える作業が行なわれます。ただし、部品交換の時間は限られていますから、そのつど部品工場に「この部品はありますか」と発注や調達をしているわけにはいきません。そのため、航空会社は多数の予備部品を保管して、いつでもすぐ使えるようにしています。

航空会社が保有する旅客機の種類や数によってばらつきはありますが、約20~30品目、総数は1000万~2000万個くらいです。旅客機を購入するだけでも膨大な資金がかかるのに、それぞれの機体を整備しながら維持・保有するために必要な予備部品をストックしておくにも、相当なコストがかかります。

しかし、コスト削減のために予備部品を減らすということはできませんし、似たようなものだからと「似ているようで違う部品」をつけるのは非常に危険なことで、実際にそれが原因の墜落事故が起きています。

整備の現場は、常に時間との闘い。「次の便まで」「明日の朝まで」というように、時間に追われます。1秒も無駄にできない状況で時間的に追いつめられたり、疲れてきたりすると、遠くの部品倉庫まで、正規の部品を取りに走る時間がだんだん惜しくなるものです。

つい手近にある部品に目が行ってしまい、部品が「この部品を使ってもなんとかなるよ」と言ってるような気がしてしまいます。

ですが、部品をはめたその時だけ、うまくはまったような気がしても、正規部品でない部品は、構造との相性が悪かったり、飛行をくり返しているうちに異常に早く劣化したり、思わぬ不具合を生じたり・・・。

「試しにはめてみたら、はまった」というだけで、正規ではない部品を使うほど、危険なことはないのです。

部品の誘惑に負けないのも、航空整備士の仕事のひとつなのです。

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