旅客機の着陸で活躍する三つの機能とは

旅客機は時速200キロから250キロくらいのスピードで着地して、2000~3000メートルという限られた長さの滑走路に確実に停止しなければなりません。

そのための旅客機のブレーキは、全部で三種類あります。

一つ目は「スポイラー」

滑走路に着地するとき、翼面すべてのスポイラーを勢いよく立てます。旅客機は接地した瞬間に自動的に翼面のスポイラーが立ち、揚力をなくして、車輪がしっかりと地面をとらえるようにできています。

上空では揚力を減らすために用いられるスポイラーが、地上ではエアブレーキの役目を果たすのです。

車輪が完全に滑走路に着地すると、次にはエンジンの「逆噴射装置」を作動させます。これが二つ目のブレーキというわけです。「スラストリバーサー」などとも呼ばれます。

これで、時速200キロ以上出していた機体を一気に減速させます。着陸時には、パイロットがエンジンの出力を上げ、ストラスリバーサーレバーを引きます。

すると、エンジンの排気の流れがせき止められ、その排気を前方または横方向へ逃がすための板やドアが作動します。飛行中は後方へ噴出されていた排気の向きが逆方向になり、ブレーキの役目を果たすという仕組。

しかし逆噴射装置の力だけでは、機体を停止させることはできません。第三のブレーキ、最も重要なのは「ランディングギア(車輪)」の制御です。旅客機は地上でもエンジンの推力で移動するため、車輪には動力がありません。ですが、動力はなくても、ブレーキは装備されています。

大型機の車輪は、ホイールにローターディスク(円板状の部品)が数枚取り付けられています。脚の構造体にはスターターディスクを固定してあります。この二種類のディスクを油圧で押し付け合い、摩擦を生じさせることでブレーキングを行います。

以上が、旅客機の三つのブレーキシステムです。

スポイラーの力で、車輪が滑走路の地面をしっかりととらえると、逆噴射装置で一気に速度を落とし、車輪ブレーキにより限られた距離の中で確実に停止する・・・。

空港で見かける旅客機のダイナミックなランディングシーンでは、その三つが同時に機能しているのです。

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