無線は2種類?「誰にでも言うこと」「あなたにしか言わない用件」

空港や航空機で使われている無線に私語はありません。すべて何かの目的があって行われる業務連絡です。その業務連絡には「誰にでも必要な情報」「あなたにしか言わない用件」の2種類があります。

「この空港はA空港です」「空港は今晴天です」「今日は滑走路の一つが工事中です」

これらは、パイロットの誰にでも必要な情報。

しかし、空港にとっては、すべての航空機、すべてのパイロットに対して発信する「誰にでも言うこと情報」です。「あなたはこの番号の滑走路に進入してください」「滑走路がまだ空いていないので、そこで待機してください」

この情報が必要なのは、個別の機体、それぞれのパイロット個人です。「誰にでも必要な情報」ではありません。空港側でも、パイロットに伝わっているかどうか、より丁寧に確認しなければなりません。

空港で使われている無線には「誰にでも言う情報」「あなたにしか言わない用件」が混在していますが、この「いつも誰にでも必要な空港の基本情報」を、空港からいっせいに自動でエンドレスで放送すれば、管制官はそれぞれの機体に対して行う「今、あなたにしか言わない用件」に集中できます。

そのためのしくみが「ATIS」です。

Automatic Terminal Information Service

空港に離着陸する航空機に対し、地上から無線で気象情報、飛行場の状態などを放送しています。情報更新は空港によりますが毎時0分、必要があれば随時更新です。放送はエンドレスで、離着陸する飛行機の多い大きな空港で行われています。どんな情報を放送しているかは空港によります。

天候、気温、風向・風速、雲の種類・高さ、見通し距離、露点温度、高度計規正値など。滑走路や誘導路で、工事中や閉鎖中がないか。もっと多くの項目を放送する空港、もっと簡単で、飛行場の名前や天候くらいの空港もあるそうですが、要するにそれぞれの空港の「基本情報」ですから、「パイロット全員に同じことを言う」という種類の内容です。

「あなたにしか言わない情報」は、「VHF」や「HF」などを使って話します。

VHFは非常に身近な電波で、Very High Frequency、超短波とも言われます。30から300MHzの周波数の電波をいうもので、波長は1から10m。空港で使う範囲は、118から135、975MHz。地上の管制と航空機、航空機どうしの会話にも使われるようです。日本のテレビチャンネルの1から12もVHFです。VHFは電離層で反射しません。地表波は減衰が大きいので「空間波による見通し範囲」の通信が基本だそうです。

一方、HFは短波のこと、High Frequency、VHF同様、とても身近な電波です。3から30MHzの周波数の電波をいいます。波長は10から100m。HFは電離層で反射するので、上空波が地球表面の遠方まで到達し、設備と周波数しだいで世界中と通信可能です。こちらはラジオで使われています。「NHKワールド・ラジオ日本」は短波です。

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