飛行機は降下時でもエンジンの推力を必要とする!?

巡航高度からはアイドルで降下を開始しますが、空港に近づくに従ってエンジンの出力を上げる必要があります。それは、自動車の場合あまり勾配がないゆるい坂道ではアクセルを踏まないとどんどん減速してしまいますが、飛行機も同じようにゆっくりと降下する場合にはエンジンの出力を上げないと、減速しすぎて失速してしまう恐れがあるためです。

また、一時的に高度を維持する場合でも、位置エネルギーを速度エネルギーに変えることができないため。速度を維持するためにはエンジンのエネルギーが必要となります。

そして、飛行機が着陸のために空港に進入することをアプローチと呼びますが、安全に秩序よくアプローチするために標準的な到着ルートが決まっている上、高度や速度にも制限があります。

例えば10,000フィート(約3,000m)以下では250ノット(時速約460km)以下でフライトしなければなりませんし、航空交通管制から維持しなければならない高度や速度の指示が出ることも多々あります。さらに、急いで降下してもしばらく水平飛行しなければならないような場合には、ゆっくりと降下することもあります。

このように、アプローチ中はアイドルではなくエンジン出力を上げて速度や降下率を調整する必要がありますが、通常操作では自動推力制御装置によりコントロールしています。エアバス機ではエンジンの出力に関係なくスラスト・レバーは同じ位置で動きませんが、ボーイング機では出力に合わせてスラスト・レバーが自動的に動くようになっています。

関連記事

ページ上部へ戻る