風が強いときの飛行機の着陸方法と対処法

着陸にくらべればの話ですが、離陸のときは、風向きはそれほど考えなくても大丈夫。でも着陸では、ちょっとだけ厳しい。

風が吹いても、極端な強風でない限り、人は地面に踏んばれます。車も地面でがんばれます。地面は平面で引力もある「2次元」だから。

上空という「3次元」の空間にいる飛行機にとっては、地面や引力など、足元を固定して安定させるものは何もありません。空中でなにもない場所ですから、どこかにつかまっていることもできません。

飛行機は「ひたすらバランスをとり続ける、バランスを崩さない」しか、自分の姿勢を安定させる方法がないのです。そのバランスを簡単に崩してしまうのが風。

糸で吊り下げた紙飛行機をちょっとでもつつくと、どんなにバランスよく吊るしてあっても、すぐに傾いて振動します。もしこれがジャンボ機だったら、中の人や荷物はたいへんなことになってしまいます。

でも、紙飛行機がふわふわ飛ぶのにちょうど良い向きで、適切な強さの風が吹いていれば、紙飛行機はそのままうまく浮いていることができます。風との折り合いがよければ、糸で吊るしただけよりも、もっと上手にバランスが取れることもあります。

ジャンボ機が空中を飛んでいる状態は、紙飛行機を糸で吊り下げた状態と、たいして変わりありません。人間や車にとっては大したことがないように思える風が、飛行機にしてみたらとんでもないという時があるのです。

だからといって、完璧に無風状態でなければ着陸できない、というわけではありません。ジャンボ機は、秒速12mくらいの風までは、飛んでもよいとされているようです。

全便欠航が決定するような暴風雨ならともかく、普通の風なら、影響を計算しながら着陸することは可能。

横風が吹いている時は、滑走路の方向に対して、直角の方向に風が吹いていることになります。ジャンボ機は滑走路に平行に進入していきますから、そのままでは機首が風に流されて、斜めに傾いてしまいます。こういう時は、風が吹いてくる方向に向かって、機首の方角を斜めに傾けながら進めば大丈夫です。

斜めに傾けた機首が風に流されて角度がついて、ちょうどよく機体と滑走路とが平行になり、その状態で進むことができます。

こういったときに使うのは「方向舵」

ジャンボ機のもっとも後部についている垂直尾翼に、可動する板状の部分があります。これを操作するのは足元のラダー・ペダル。左足で左のラダーペダルを踏むと、方向舵が左側に倒れます。その作用で機体が左へ機首を振ります。機首を右に向けたい場合は、この逆の手順。

機首を左右に振るのは横移動ですが、飛行機が飛ぶのは3次元の空間ですから、機首を上下に動かしたい場面も出てきます。機首を上下させたい場合は、水平尾翼の可動部分が「昇降舵」です。操縦桿を手前に倒せば機首が上がります。

秒速12mを超えると着陸不能で、それでも着陸を強行したのではトラブルになってしまいます。他に降りられる空港を探すとか、場合によっては出発した空港に戻ることも・・・。

そこまでの状況になりそうなときは、搭乗よりずっと前の時点で、「目的地の空港の天候が着陸にふさわしくないので、天候が回復しない場合、出発した空港に逆戻りすることがあります」と連絡されることが多いようです。

乗客は、その条件も含めて考え、搭乗するかどうか決めることになります。

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