着陸時のショックを和らげてスムーズに着陸するワザ!

悪天候で空中での待機を余儀なくされていたのですが、ラッキーなことに羽田空港の天候も回復したため、予定通り着陸が行えることになりました。でも、そもそも着陸とは何を指すのでしょうか。

大空へ飛び立つ際の離陸とは、滑走路から機体がリフトオフし、フラップが完全に引き上げられる所までを指しました。ですが着陸の場合は、フラップを下げ始めるところからを「着陸」とは呼んではいないのです。

フラップを下げ始めて(正確には進入開始点)から、滑走路の始まる末端までを進入(アプローチ)と呼び、滑走路の末端を高度50フィート(15m)で通過したところから、完全に機体が停止するまでの間を着陸と呼んでいるのです。

このとき、傾き3°の状態で経路を降下する降下率、つまり垂直方向の速度は、時速10km(600~700フィート/分)ほどになりますが、機体はそのままの姿勢で接地するわけではありません。(ちなみに、着陸装置自体は、降下率が時速11km(3m/秒、600フィート/分)でも十分耐えられるほどの強度を持っていますが、中の乗客たちがその状態に耐えられるかどうかはわかりません・・・。)

飛行機は200トン以上もの重さがありますので、わずかな降下率の違いも、エネルギーに換算すると莫大な違いを生み出します。そこで、可能な限り降下率を小さくして接地することが必要とされているのです。

そのため、着陸時に飛行機は「かえし操作」と言われる2~3°の機首上げ操作を行って、降下率を小さく押さえるようにしています。着陸によるショックを和らげて、スムーズに接地するためです。

まるで、上空から糸で吊るされた振り子のように、飛行機は接地寸前で円運動を行い、飛行経路を3°から0°に引き起こすことで、乗客にも快適な着陸が可能となるのです。

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